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原発「処理水」海へ放出か ”福島産”の安全性は? 漁業者の苦悩

福島第一原発の
敷地に並ぶ無数のタンク、
その数、1000基に上ります。
今、タンクに溜まり続ける
放射性物質を含んだ水を
海に流す案が現実味を帯びています。
ただでさえ
大きな被害を受けた福島の漁師は
どう考えているのか。
そして、今、福島の魚には
実際どれぐらいの放射性物質が
残っているのか、
漁業の現場を取材しました。
***2020年3月11日(水)放送***

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市場に運び込まれるヒラメ、ホウボウ。

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すべて福島の海で採れた魚です。

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原発事故前に戻りつつあるセリの風景
しかし・・・。

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福島の沿岸漁業は、
第一原発から半径10キロの外側で、
安全性を確認しながら
「試験操業」として再開されています。

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しかし、事故前と比べて、
漁獲量は14%に落ち込んだままです。

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原発事故から9年となる今年は、
“復興五輪”を掲げた東京オリンピックの年。
福島にも世界の目が向けられています。

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オリンピック招致の際、
安倍首相が福島について言い切った
「アンダーコントロール」という言葉。

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しかし世界の目は厳しく、
今も20の国や地域
福島産水産物の輸入を規制しています。

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去年は、他国より厳しい
韓国の輸入禁止措置を巡って
日本が逆転敗訴し、衝撃が走りました。

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いわき市で漁業を営む馬目さん。

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この日、魚にどれくらいの
放射性物質が含まれているか、
モニタリング調査のために船を出しました。

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福島の魚は本当に安全なのでしょうか?

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●山本恵里伽アナウンサー
「今、魚が運び込まれてきました
この魚がどのように検査されていくのか
その過程を見ていきたいと思います 」

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県の水産海洋研究センターには、この日、
50種類ほどの魚が持ち込まれていました。

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刺身で食べるものは皮なしで、
焼き魚や煮魚で食べるものは、
皮も含めて処理。
放射性物質を測定する施設へと送られます。

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国が定める食品中の放射性物質の基準値は
1キロあたり100ベクレル以下

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100ベクレルとは、毎日摂取し続けても
問題ないとしている数値です。

●山本恵里伽アナウンサー
「検査結果が出ましたけど
この結果からどういうことが言えますか?」

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●福島県農業総合センター
 草野憲二さん
「これは新地町のアイナメのデータですが
 データがND(エヌ ディ)ですよ
 という結果が出ています 」

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ND(エヌ ディ)とは基準値の
100ベクレルをはるかに下回る、
「検出限界以下」のこと。

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実際の数値は数ベクレル程度で、
福島以外の海域とほぼ変わらない数字です。

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原発事故直後は、
100ベクレルの基準値を超えるものが
40%を占めましたが、
2015年4月以降は、すべての検体が
基準値を下回っています。

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去年は、およそ6000検体のうち、
数字が出たものがわずか12件で、
数値も最大で16.6ベクレルでした。

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実に99.8%は検出限界以下なのです。

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科学的データに裏打ちされた“安全性”
その一方で、
今、新たな不安をもたらしているのが・・・。

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原発から出続ける汚染水と、
「処理水」の問題です。

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●丸山拓 記者
「タンク タンク タンク
見渡す限り、タンクです 

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事故を起こした福島第一原発では、
溶け落ちた核燃料に水をかけて
冷やし続けなければならず

今も、高濃度の放射性物質を含む
汚染水
が出続けています。

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汚染水は、アルプスと呼ばれる
浄化装置を通すことによって、
セシウムやストロンチウムなど
62種類の放射性物質を
ほぼ、除去
することができますが
トリチウムは取り除くことができません。

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このトリチウムを含んだ水、
「処理水」をためるタンクが、
あと2年で満杯になってしまう状況を受け、
先月、経産省の小委員会は、
こう結論付けました。

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経済産業省・小委員会の報告書より
「海洋放出は確実に実施できると
考えられる」

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今後も増え続ける処理水を
海に流すという案。
トリチウムは、
放射性物質の中でも危険性は低く
通常運転中の原発からも
海へ流すことが許され

福島の事故前、全国の原発からは、
合わせて1年間に
トリチウム380兆ベクレルを含む水が
海に放出されていました。

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現在、福島に溜まっている
処理水に含まれるトリチウムは
860兆ベクレル。

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これを希釈し、
数十年かけて海に流すというのです。

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安全を強調する政府。

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しかし、福島の漁業者には、
海洋放出が行われてしまえば、
福島産の魚は安全ではないという風評が
広がることへの根強い不安
があります。

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一方、消費者は。

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安全性を確認するため行ってきた
9年間の取り組みが無駄になってしまうのか。
漁師の馬目さんは、
複雑な思いを口にしました。

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●山本アナウンサー
実際に検査の過程を
すべて手作業で緻密に正確に行われています。
それだけ安全が確保されている一方、
「安全=安心」ではないと
県の職員の方がおっしゃっていたのが
印象的でした。
そのような状況の中で
福島に処理水が放水されると
不安を感じてしまうと思いました。


●星アンカー
中国や韓国など20の国や地域が
未だに福島産の魚を
輸入規制をしている現状があります。
日本の説明が
それだけ届いていない現状がありますよね。

この問題では世界中の原発が
トリチウムの処理水を流しているから
いいだろうという話ですけど
世界中の原発と
福島で処理水を流すのは
わけが違うと思うんですよね。

原発事故があったところで流すわけだから。

●小川キャスター
どうしても心に引っかかってくるのが、
当事者が福島や地元の漁師の方だけに
なってしまっている
ことですよね。
漁師の方からもそんなに安心安全なら
「だったら東京湾にでも流せばいいんだ」
という声もありましたが、
福島の問題ではなくて、
日本全体として一人一人が
自分事のこととして捉えるべき問題
ですよね。

●星アンカー
福島の原発で恩恵を受けたのは
首都圏の大企業や都市の住民の方々。
一方で、福島で原発周辺の人々は
非常に大きなダメージを受けていると。

そこで処理水を流そうとしていることだから
みんな怒っているんですね。
この処理水を東京電力が
管理しているんですけど、
本来なら処理水管理問題を
第三者委員会を使って、
じっくりと説明をして理解を得ながら
進めていかなければならない。
理解を得られないまま
福島で放水というわけには
いかないと思いますね。


動画版リンクはこちら!
https://www.youtube.com/watch?v=2g5YGz9Qe2k
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