19歳少年院で独白 詐欺の"受け子"になったワケ
今年に入ってから6月までの
「オレオレ詐欺」の
被害額は96億円余り。
首都圏と大阪を中心に
増加しています。
騙した金を受け取る
「受け子」として逮捕された
19歳の少年が少年院で語る、
詐欺に手を染めたきっかけです。
(NEWS23 2018年8月2日放送)
”受け子”だった少年(19):
「人の優しさ利用して、
踏みにじって、
そういうことをしたと考えると、
言葉で言い表せないというか…
本当に申し訳ない気持ちです」
後悔の言葉を口にする
19歳の少年。
特殊詐欺に
関与したとして逮捕され、
東京・八王子市の少年院に
入所しています。
逮捕されたのは去年12月。
神奈川県に住む
高齢の女性から
長男の部下を装って
現金200万円を
だまし取ったのです。
詐欺に手を染める
きっかけとなったのは、
地元の先輩との
こんなやりとりだったといいます。
”受け子”だった少年(19):
「仲が良くて
結構お世話になっている先輩がいて、
その人から『やってみないか』と
誘いを受けて、
最初受けたときは断ったけど、
2回目に『頼む』って
お願いされて・・」
こうして少年は、
詐欺グループの
現金受け取り役、
「受け子」となりました。
全く知らない
上層部の人物から
電話で指示を受け、
スーツ姿で
被害者の元を訪ねて
直接、現金を
受け取るのが仕事でした。
”受け子”だった少年(19):
「家の周りに怪しい車とか、
誰か人が見張っていないかを確認して、
(指示役に)大丈夫ですと伝える。」
「被害者のことを”対象”って
いうんですけど、
『出てくると思うので
後をつけていって話しかけて下さい』と
(指示役に)言われる。」
詐欺グループの末端で、
現場で逮捕される
リスクを感じながらも
少年は
犯行を繰り返していきます。
”受け子”だった少年(19):
「手っ取り早く稼ぎたかったのと、
楽して稼ぎたいなと思った。」
「1日2~3件やると
十何万円とかもらえて
ラッキー、やったーと感じた。」
結局、逮捕されるまでに
だまし取った総額は、
高齢者15人ほどから
合わせて約2000万円。
去年12月、少年は逮捕されました。
我が子の逮捕を知った母親は・・・
”受け子”だった少年(19):
「母親がすごく悲しんでいた。
まさかあなたがそんなことをしているとは
思わなかったって。それが結構・・・。」
「ただ泣いて、ひたすら泣いていて、
本当にごめんなさいって
ずっと謝っていた。」
少年はいま
再犯防止のため、
少年院で特別なプログラムを
受けています。
特別プログラムの教官:
「僕は悪くないという子がすごくたくさんいる。
その気持ちは分かります。
だけれども、ポイントなのは、
あなたがそこに参加しなければ
この犯罪、非行は成り立たないんだ。」
この少年院では
入所者の4人に1人が
詐欺に関与して
入所していますが、
グループ末端の「受け子」だった少年も
多くいるということです。
急増する
詐欺に加担する少年たち。
なぜこれほどまでに
増えているのでしょうか?