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あんずボーと私

夏になると、私はたまらなく「あんずボー」食べたくなる。

ただの「あんずボー」ではなく、冷凍庫で凍らせたあんずボーだ。

幼い頃、祖父の家に行くといつも必ずデザートに杏を出してくれた。

それが幼心にとても美味しかった記憶がある。

その流れからか、私は未だに杏が好物なのだ。

凍らせたあんずボーは、まずパッケージの上を指でぺりぺりと切り取る。

あんずボーのおしりを押し、先端をピョコッと出す。

そこをパクッとかぶりつく。

火照った体を、シャリッとした食感のあんずボーが癒していく。


この快感は何歳になってもたまらない。

私はこのシリーズの記事の通り、交通事故に遭った経験があるのだが、親に何買ってきて欲しい?と言われ、「あんずボー」と答えたほどらしい。

あんずボーは全国区な駄菓子と思いきや、かつて販売していたのは関東圏だけのようだ。

港常(みなつね)という大正4年創業の老舗お菓子メーカーが作っている。

東京以外のメーカーかと思いきや、東京のザ下町である浅草に本社がある。

ホームページはおそらく存在せず、求人サイトと思われるものが一応ホームページになるのだろうか。

https://4ihxuli7.jbplt.jp

あんずボーはただ冷やして食べるだけと思いきや、洒落た提供をする居酒屋に遭遇した事がある。

そこでは、あんずサワーに凍ったあんずボーを突っ込み、あんずボーサワーとして提供していたのだ。

暑い夏に、何とも粋なサワーではないか。当然私はそれを注文し、おかわりまでしてしまった。

サワーとしても楽しめ、あんずボーとしての食感も楽しめ、一石二鳥な気分だった。

我が家の冷凍庫にはもうあんずボーが常備されている。

梅雨が空けて、夏よいつでもやって来い。


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