『あまりにも悲愴』
『時砂の王』小川一水著
・最近読んだSF。
・邪馬台国と26世紀を結ぶ世界観。
・26世紀、地球は謎のETの襲来で壊滅。爬虫類っぽい造形。
・人類は宇宙に逃げて抗戦。
・人類はETに対抗するため、知性体:メッセンジャーを開発。
・AI搭載アンドロイドのようなものか?
・とにかく強く、精神も安定している。
・メッセンジャーの活躍もあり、人類は優勢に。
・追い込まれたETはなんと、時間遡行技術を発明。
・数百年前の地球に時間遡行し、まだまだ弱小な過去の人類を掃討しに向かった。
・人類側もその技術を開発。ETを追って過去の地球へ。
・という話なのですが、感想メモは、
過去でETに負けたら?
・過去に遡り、メッセンジャーはETと対決。
・26世紀の装備やリソースをすべて持っていけるわけではないので、過去の地球に住む人類と協力しETと戦う。
・もし、過去でETに負けたら。その世界線で人類は滅亡。
・わずかに残ったメッセンジャーは、悲愴な決意で更に過去に遡行。
・ただ、さかのぼった地球は自分たちがいた世界とは別の世界線。
・その過去で頑張ってETを倒しても、もといた世界線を救えるわけではない。もといた世界線で契を結び、ともに戦った人類を救えるわけではない。
もしETに勝ったとしても
・過去でETに勝てば、その世界線は平和が訪れるかもしれない。
・しかし、わずかに残ったETは、さらなる過去に遡行する。
・それを追ってメッセンジャーは旅立つ。全ての世界線の人類を救うために。
・この繰り返しによって、過去十万年あまりに渡るETとメッセンジャーの戦いが続く。
・これがあまりにも悲愴。
・特に、救えなかった世界線を見捨てて過去に遡行するときのメッセンジャーの気持ち。
・無感情でいなくてはやっていられないメッセンジャーたちの気持ち。
・これがひしひしと伝わってくる、とてもよいSFだった。
震えたセリフ
・滅びつつある26世紀から、初めてメッセンジャーたちを過去に送り出すときの人類の将校のセリフ。
(end)
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