新入生レビュー企画⑤入江君人『蜘蛛と制服』

日々月猫通りやnoteの連載で様々な企画を発信し、多数のレビューを執筆している新月お茶の会。この企画は、新入生の活動への参加ハードルを下げるため、まずは自分の好きな・書きやすい作品でレビューを一本書いてみようという企画である。5回目となる今回は、入江君人による『蜘蛛と制服』のレビューとなっている。

あらすじ
 海野琥珀っていうちょっと変な娘、具体的にはまぁ、昆虫あのクワガタとかそういうかっこいい系じゃなくて蛆とかそこらへんの一般的には忌避されがちなのが好きな娘がなんか異世界転生しちゃって、そんで異世界の蜘蛛と仲良く?なるって話。ざっくり言えばね。うーん、さすがにざっくりしすぎな気がする、っていうかまぁ割となんか本質をつけてない気がするけどまぁいいか。詳しくは本を買ってもらってそれで確かめてもらうってことでよろしく。

レビュー
 面白かった、うん、面白かったよ。なんだろうねぇ。心情の描写とか情景描写とかかな。そこらへんがすごいきれいなんだよね。そうきれいなの、たとえるなら何だろうねぇ。太陽が地平線に沈んでるけど光の屈折かなんかで光だけ見えてる空みたいな。なんかすごい明るいんだけどでも目は痛くないみたいなそんな感じの独特のうつくしさがあったね。これは世界観の話だから登場人物の話とかもしとくかな。主人公がね~、いいんだよね~、なんかね、この小説は一人称視点で進んでてて主人公、海野琥珀の考えてることとかが基本的には分かるんだけど、彼女の感情とか思ってることとかの変遷とかがすごい面白いの。あの世界観のとこでも言ったけどなんかきれいなんだよねぇ。まぁ人によるのかもしんないけど、自分は好きだったなぁ。で、しかもなんだけど!作中では明確に言及されてないんだけどこれってこういうことじゃね?みたいな考察とかもできたりする要素があったりして、それもまたいいんだよね~、なんか、何回も読んでも楽しめるっていうか、これ重要だよね。今の時代、電子とか図書館とかいろいろ本を読める手段がある中でどうしてあえて物理で買うかみたいなそういうのへの解答になってるのかなぁとか思いますね、知らんけど。で、まぁ話を戻すとこの海野琥珀ちゃんすごい繊細なんだよね、でも表面的には落ち着いていたりしてなんかこうそこら辺のギャップとかもいいんだよね。あと、ほかのキャラとかの魅力について言うと、なんかみんなかわいいんだよね、まぁみんな蜘蛛なんだけど。それでも、みんなそれぞれ海野琥珀ちゃんを大切に思ってるんだよね。まぁ、その愛ってのは別に家族愛とかそういうのじゃなくてうちらが家畜に向けるみたいなそういう愛なんだけどね。それを受けてる海野琥珀ちゃんも琥珀ちゃんで蜘蛛たちを愛してるっていうなんか変だよね~でもそれが作中で無矛盾に表現されてる、それがこの作品の魅力かなぁと思います。字数も尽きてきたんでここらへんでさいなら。


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