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結局、ときめきってなんですか?

新型コロナウィルスで一変した私たちの日常。これからどうやって生きていくのか。自分は何がしたいのか。今こそ人生の喜びを感じる感覚を取り戻し、コンフォートゾーンから抜けだしていく時。「ときめき」こそがドライビングフォースとなり、新しい人生へとあなたをナビゲートしてくれるでしょう。


「ときめく」という言葉の歴史


「ときめく」という動詞は、胸がときめく、心が踊るという意味でしばしば用いられます。特に恋愛ではテッパン用語。「あの人が好き!」と自覚した瞬間に毎日はバラ色に変わり、「あんなこともこんなこともできるかも!」と、これから起きることに胸がときめきます。

もう一方で「今を時めく」という使い方があります。「時(良い時期)」に接尾語の「めく」をつけ加えることで、時勢に合って栄えるという意味です。古い文献にはこの「時めく」という言葉がしばしば登場します。たとえば日本の文学史を代表する平安時代の作家、紫式部の「源氏物語」ではこのように扱われています。

「いとやむごとなき際にはあらぬが、すぐれて 時めき給ふありけり」(原文)


物語の主人公、光源氏の誕生を描く冒頭の章「桐壺」の有名な出だしです。光源氏の母親は身分こそ低かったけれど、帝から一心に寵愛を受けて時めいている女性だった。「時めく」という言葉が放つ華やかさを強く感じ取ることができる一節です。初めてこの部分を読んだ時は、宮中の羨望や嫉妬を一身に受ける「時めく女性」が眩しくて、ドキドキさせられたものです。このように「時めく」という言葉は、古くから重用されてきたことがわかります。


少しでも良くなりたいという本能


少し前からキュン活という言葉が流行っているのだそう。言葉の通り、ときめきを探す活動のことです。胸がキュンキュンすることを見つけたい。でもリアルな恋愛のような面倒くさいところには足を踏み入れたくない。恋愛なら擬似恋愛体験で充分。とりあえず平凡な毎日の中で少しでもときめきがあればいい。

ところがはじめこそは「胸がキュンキュンするだけでいい」と言っていたのに、次第に本気になってしまうことがよくあります。胸キュンするアーティストのコンサートに足を運ぶようになる。直に接すると胸キュンのボルテージは一気に高まり、もうじっとしていられない。大好きなスポーツ選手の試合を見るために世界中を飛び回るようになったり。

世界中を飛び回るうちに各国に友達ができて、お互いの国を行き来するようになったりする。外国語は喋れないのに、次の北京オリンピックでは友人宅に1ヶ月滞在する約束までできてしまう。これを奇跡と呼ばずしてなんと呼ぼう。「わたしの毎日なんて、せいぜい家と会社の往復だけ」と言っていたのに、世界を自由に行き交うこともできるようになる。

ときめきに従って行動すると、思いがけないことが次々起こります。奇跡は起こるべくして起きている。自分のパッションに素直に従うだけでいい。誰でも奇跡を起こすことができるということです。「ときめき」こそは生きる原動力であり、すべての始まりとなるパッションなのです。


「ときめき」が教えてくれる本当のこと


私たちはもともと宇宙の根源にいました。「地球に行ったらこれがやりたい!」「あれもやりたい!」という好奇心に駆られてやってきたのです。そして宇宙の最も高い波動であるスピリットの状態から物質である肉体に入りました。けれど、この世に生まれてからは生活に追われてしまいます。そしてワクワクする好奇心のことをすっかり忘れてしまうのです。

ところが突然「はっ!」と思い出すことがある。そのサインが「ときめき」です。自分が地球で本当にやりたかったこと、興味があることを見つけると一瞬でパッションがよみがえるのです。

私たちは、いつも心のどこかで「今よりもっとワクワクした人生にしたい」「人生を変えるような素敵な出来事に出会いたい」と願っています。でもなかなか良いことが起きない。周りを見ていても人生には良いことなんか起きそうもない。そして良い人生をあきらめようとします。それでも心の奥では「本当はあきらめたくない!」「人生が大逆転してほしい!」とジタバタしています。

ここでよく考えてみましょう。これからの人生で本当に楽しいことが起きるためにはどうしたら良いのか。それとも、すごいことは起きているのに見逃しているのではないか?


ルーティーンの人生からの脱却


実は、ときめくような出来事は毎日起きています。ときめきのチャンスに気づいていないだけなのです。たとえば、ある作家さんはアイデアが泉のように湧き出てくる。彼は「コンビニ入るたびに20以上の驚きと発見がある」と言っています。彼にとっては1日24時間がときめきの連続。なぜそうなれるのでしょうか。

私たちは生まれた時から「こうしなさい」「こうするべきだ」と言われ続けて大きくなりました。本当は「いいな」と思っていても否定されてしまう。「ダンスを習いたい」と言っても、「それよりも塾に行きなさい」と押しつぶされて生きてきた。そうやって社会の枠にはまるように求められてきたため、やりたいことをやるという習慣ができにくい。

社会の枠にはまるとどうなるか。自分ではやりたいことをやっているつもりでも、限られたものの中で選ぶことになる。会社に入る時も「A社かB社かC社か」という選択肢の中で選んでいるだけ。それなのに「自分の意志でA社を選んだ」と勘違いしてしまう。会社の休みが1日増えただけで、自分は恵まれていると思い込もうとする。いつの間にかガチガチの枠にはまった考え方になっているのです。毎日仕事と家を往復し、たまに息抜きのために飲みに行ったり、旅行にいくというルーティーンの人生になっているのです。

私たちが感じる「奇跡」は、そんなルーティーンの毎日をぶち壊すような出来事のことです。

本来は、私たち人間が持つ可能性はそんなちっぽけなものではありません。もっと想像を絶する大きなスケールの人生があなたを待っている。私たちの本来の姿であるスピリットは、本物のときめきを知っています。収入とか資格とか、後天的なときめきはチリのようなちっぽけなもの。

あなたが世界で唯一無二の存在になること。「今を時めく人」になること。それこそが、もともとあなたが望んでいた本来の姿です。そのために自分がやりたいと思った時の「ときめき」に向き合い、大切に育んでいってください。



「NEW LIFE」ゲストエディター
谷村典子

作家・脚本家
日本シナリオ作家協会会員

成蹊大学卒業後、会社勤めの傍らで松竹シナリオ研究所卒業。2002年テレビアニメシリーズで脚本家デビュー。テレビ、映画、舞台で、幅広いジャンルの脚本や構成台本を担当する。
L.A.Fear&Fantasy映画祭他では、作品賞などを受賞。タロットをきっかけにモダンミステリースクールと出会い、形而上学の学びを深めている。

Atelier ADITI主宰。

「新時代」の生きかたマガジン―「NEW LIFE」は、“理想の新しい世界”を本気で希求する、すべての人に向けたオンラインメディアです。

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