母親の表情


平日に子どもと2人で出かけた

子どもに人気のスポットは
休日ほど混んでないとはいえ
平日でもそこそこ人がいる
当然自分たちのような親子連れがほとんどだ

その中で母と子の組み合わせは圧倒的に多い
父と子、祖父母と孫というのは稀だ

女性の社会進出が進んでいるとはいえ
やはり偏りはある

ここにいる母親たちは
子どもの遊びに付き合って
クタクタになりながらも
帰宅してから食事やお風呂の準備をするのだろう

勝手にそんなことを想像して
母親たちに感謝とエールを送る
もちろん自分も含めて

がんばれ私たち


母親とは何なのだろう
とても不思議な存在だと思う
ただの役割であるはずなのに
種族のように思えることもある

私は子連れスポットに来ると
無意識に他の母親を観察してしまう

子どもとの接し方、服装、メイクなど
色々みるポイントはあるのだが
最も気になるものは母親の表情だ

無表情でピクリとも顔の筋肉が動かない
お母さんをたまに見かける

私はそういう人をみると
目が離せなくなる

子どもが喜ぶスポットに来ている時点で
そのお母さんは子どものことを
ちゃんと考えてあげられる人だと思う

そんな人がなぜあんな能面のような
顔をするのだろうか

疲れているのかな
自分の時間が足りないのかな
旦那さんは協力的じゃないのかな

勝手な想像をして勝手に心配する


冷静になると
それが根拠のない思い込みであることに気づいた
そしてその思い込みのスピードが
異常に速いことにも気づいた


私はあの表情に見覚えがある

母だ

母の能面のような顔が目に浮かぶ


次の瞬間
自分もその表情をしているのでは
と急に不安になって
顔の全筋肉を使って大げさな表情を作った

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