習近平が「ゼロ・コロナ」に固執するワケ 一路「メタバース」。マイクロソフトもフェイスブックも 夢よ理想よさらば!ソニー「現実路線」で復活
効かない中国製ワクチン
国際都市・香港の崩壊
東京五輪も真っ青、厳格極まりないバブル方式の下、北京五輪冬季大会が終わった。とにもかくにも大会をやり遂げたことで自信を深め、習近平主席はいよいよ「ゼロ・コロナ」政策を堅持するのだろう。
国際政治学者のイワン・ブレマーが率いるユーラシア・グループが年初、予言した。今年の最大のリスクは、中国のゼロ・コロナ政策が失敗し、世界のサプライチェーンが大混乱に陥ることだ、と。だが、失敗以前に、現状のゼロ・コロナ政策それ自体が、世界経済に耐えがたい苦痛をもたらしている。
冬季五輪の直前、中国政府は西安と河南省の都市をロックダウンし、少なくとも2000万人が一歩も自宅から出ることを許されなかった。中国の4大港湾である上海、大連、天津、深圳も、限定的とは言え、ロックダウンが発動され、VWやトヨタ自動車の天津工場が操業停止に追い込まれた。通常、中国から米国西海岸まで船便は50日以下だが、1月初旬、113日というかつてない日数がかかる(ニューヨークタイムズ紙1月16日付)。
完全には止まっていないことが救いと言えば救いだが、海運の命脈を保つために、海員たちは上陸を禁止され、港湾労働者たちは数週間に渡って港内のたこ部屋に閉じ込められる。いや、港湾労働者はまだマシだ。