コロナ禍で注目!長野県立科町とことん真面目な「ワーケーション」

箱モノを造っても財政負担が増す
既存のホテルや旅館を利用できないか

 新型コロナウイルス感染症の感染拡大で、世界は大きく変わった。その1つが「働き方」だろう。感染防止のために通勤を回避し、自宅からインターネット経由で作業や打ち合わせ、会議をこなすテレワークが一気に普及した。すると企業は「何も都市のオフィスでなくても仕事ができるのではないか?」と考えるようになった。そこで注目されたのが「ワーケーション」。テレワークを活用し、リゾート地で働きながら休暇を過ごす新しい就労スタイルだ。そのワーケーションを利用した地域おこしが、長野県立科町で始まっている。

 立科町は長野県中部に位置し、自然に恵まれた人口6470人の町だ。町の北部では稲作やりんご、高原野菜の栽培、畜産などが盛んで、南部は標高2531mの蓼科山の北西に女神湖や白樺湖、蓼科牧場などのリゾート地となっている。人口減は激しくないが、それでも1960年の9756人から3割ほど減少した。立科町にとっては、新たな町おこしの「起爆剤」が必要だったのだ。そこで町が着目したのがワーケーションだった。

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