「リズからリズへ」と託されたバトン 英国の新しく難しい時代が幕を開ける

国民に愛される開かれた王室

 9月8日、英国のエリザベス2世女王が96歳で逝去した。今年2月には、英国君主初の在位70周年を迎え、「プラチナジュビリー」の記念式典が盛大に行われたところだった。また、5月には、女王の名を冠した鉄道新線「エリザベス線」が約3年半遅れでようやく開通し、開業式典には女王自らが出席した。エリザベス線は、ロンドン中心部を横断し、交通問題の深刻なロンドン市と東西の近郊区域やヒースロー空港を迅速に結ぶ新しい大動脈として期待されている。

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