日本酒で地域おこしと規制緩和に挑む 秋田県男鹿市のアントレプレナー酒蔵

北九州市からやってきた男
「なまはげ」の里で日本酒を創る

 日本食文化の再発見ブームで「日本酒による地域おこし」が各地で盛り上がっている。その殆どの主役は、地元の老舗酒蔵だ。「地域おこしなのだから、地元密着型の老舗酒蔵が中心になるのは当然ではないか?」と思われるかもしれない。そうした側面もあるが、実はもう1つ理由がある。それは法律による参入規制だ。が、そんな規制の壁を突き破り、日本酒による地域おこしに新規参入しようとしているアントレプレナー(起業家)が秋田県男鹿市にいる。

 男鹿市は秋田県西部の日本海に突き出た男鹿半島に位置する、人口約2万4000人の地方都市。三方を海に囲まれ、国の重要無形民俗文化財である「なまはげ」の里として全国に知られている。市の中心部にある男鹿駅はJR東日本男鹿線の終着駅で、2018年7月に現在地へ移転。旧駅舎は昨年11月から「稲とアガベ醸造所」として再利用されている。

ここから先は

3,863字
この記事のみ ¥ 200