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「成長」と「財源」の壁をどう乗り越えるか(下)

ベーシック・インカムによる経済再興

 コロナ・パンデミック下、収入格差が広がる中で、ベーシック・インカム(BI)の社会実験が世界各地で活発化したのは、当然の成り行きであった。大災厄による急な困窮を救う「究極のセーフティネット」と見做されたのである。実験の結果を踏まえ、BIが小規模な地域単位ではなく、国単位で近未来に実現する道が開かれてきた。少なくとも国民全員に対してではなく、低所得層向けに適用される可能性が高まった。

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