泥沼化するプーチンの「特別軍事作戦」世界と乖離するロシア国民の被害者意識

進軍の意味を分かっていなかった
首都侵攻に駆り出された兵士たち

 ロシア軍は3月末、ウクライナ北部の占領地区から一斉に退去した。首都キーウ(キエフ)の攻略を諦め、東南部のドンバス地域へと焦点を移している。そして、撤退後、首都郊外のブチャの町では、多数の遺体が発見された。民間人の大量殺害が起きた可能性が強い。プーチン大統領の「特別軍事作戦」は、世界から厳しい非難を浴び、容易には抜け出せない泥沼に入り込んでいる。

 まず、ブチャの町では、一体、何が起きたのか?現時点では、詳しい状況は不明だ。真相を知るまでには、まだ、時間がかかる。

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