60

先日誕生日を迎え、60歳になった。
around還暦ではない、Just還暦。
びっくりだ、自分が60になるなんて。
60ってこんな感じなんだ。
現実感が乏しい。
昨日と何も変わらないのはもちろん、10年前ともなにも変わっていない。

とはいっても、本当に何も変わっていなければ、それはそれで問題で。
わかりやすいところでいえば、体力がなくなった。もともとなかったけど、目に見えて減ってきた。もう100mはおろか、20mも走れない。
歩くのはいくらでも歩けるけど、走るのはもう無理。

あと、より大人になった感じがする。
｢何を言ってるんだ｣と思われるでしょう。
自分でも呆れてるけど、数年前くらいまでは日常を回すのであまりに精一杯だったので、物事を深く考えたりしなかった。
いちいち立ち止まって考えるようになったのは、本当にここ最近のことだ。
で、やっぱり面倒くさい性格なんだな、って再確認したと同時に、大人の立ち居振る舞いってこんな感じなんだ～って分かり始めた。
視野が狭くて子どもっぽい性格だったんだ、という気づき。
階段はすでに老朽化していそうだけど、ともかく今更ながら大人の階段を登っている。

子どもが生まれてからの20数年は本当の本当にあっという間だった。
秒速というか、光速で過ぎた。
やらなきゃいけないこと、対処しなきゃいけないことが多すぎて、やってくる問題をちぎっては投げちぎっては投げ、本当の意味で子育てから解放された感じがしたのは娘が結婚してからだ。

その娘はいま長めの旅行に行っており、誕生日には遠くからお祝いをくれた。
なので、｢Happybirthday｣の歌は男二人のデュエット。
それはそれで嬉しかった。
ただ、3人でホールケーキを食べるのはしんどい感じ。この習慣も変わっていくかもしれないなー、と頭の隅でちょっと思う。

60になったからといって、これということもないけど、願わくば緩やかに家族を卒業したい、というのが今後の目標。
あらゆる意味で、人生の半分以上の時間を家族のためだけに使ってきたから、もうここらで自由に、自分のために生きていいんじゃないの？って、最近強く思う。
そのための卒業をゆるっと考えている。