いしい

世の中のだいたいのことについて解像度低めです。とても面倒くさい性格です。2023年1月から始めたピアノと、半世紀以上続けている読書と、いろいろの日々を綴っています。

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最近の記事

ジェネリック初見

最近、5度のつもりで6度の音を弾いていることがあり。 間隔感覚があやふやなんだわ、何かいい方法は…と考えて、またBEYERをおさらいしている。 BEYERの最初のほうって5度の中でしか指を動かさないからうってつけかと思って。 しかも、曲を案外忘れているので、初見っぽい感じもよい。 最初の頃を振り返るとき誰しも思うことだけれど、ホントにあの頃は何もわかってなかったんだなぁ。 ただ指を順番に動かしていくだけだったものね。 右手の2の指と、左手の2の指 次が右手の3と左手の1 右

    • 本当の名前

      しつこく呼称の話をするんだけど。 私は自分の呼称も相手の呼び方も徹底して拘り、注意深く使い分けている。 それは、物心ついてから今に至るまで親から「お姉ちゃん」以外の呼び方で呼ばれたことがないからだ。 妹にとって私は姉だが、親にとって私は姉ではない。 けれど、親にとって私は「姉」なのだ。妹の姉。 「お姉ちゃん」と呼ばれることで、もしくは「お姉ちゃんなんだから」と言われることで固定される立ち位置がある。 そして、それはいまも続いている。 私の名前は忘れられ、姉としての呼び名と役

      • ちゃお

        私は、自分をどう呼称するか常に意識してきたが、同様に人を呼ぶときも気をつけてきた。 特に家族を呼ぶときは自分と相手の関係、その場の関係でふさわしい呼び方をする、というのをいつも考えていた。 息子に対しては、私は普段はちゃん付け、叱るときは呼び捨て、家人はいつもちゃん付け、娘はいつも呼び捨て、三者三様で面白い。 一方、娘には特別な呼び名がある。 それは「ちゃお」 娘が5歳くらいのとき、自転車の補助輪を外して練習していて少し遠くまで行ってしまったので、一緒に見ていた息子に「お

        • 最奥の箱

          先生に「ハノンはどうですか?」と訊かれた。 心から納得して取り組んでいないのがバレバレだから。 これ幸いと日ごろの不満をぶちまける。 あれも上手くいかない、これもダメ、何もかも全部ストレス~! ほんとに、びっくりするくらい弾けるようにならない。 いつまでも下手なまま。 もう、ずっと下手。 5か月間ずっと下手。 …と言いたい放題言いました。 毎回のようにスケールのままならなさを先生に訴える。 少し前に、もっとテンポを上げるように言われたんだけど、ほんとそれ以前の問題で、まず

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          わたし

          娘がまだウチにいたとき、私は自分のことを「お母さん」と言うことが多かった。 息子は私のことを「母ちゃん」と呼ぶので、それに合わせて「母ちゃん」と言うこともあったけど、基本的に「お母さんは」と言っていた。 家族の中心は子どもだった。 それが夫婦の家庭もあるだろうし、全員が中心にいる、とうこともある。 自分の意識としては、子どもが巣立つまでは子どもが中心であるべき、と思っていた。 だから呼び方も子ども目線で当然だった。 子どもにとっての私は「お母さん」であるし、あなたの母親である

          こだわり

          私は大変な暑がりなので、コートの袖が窄まっていなくて少し風が入るほうが着ていて楽だということに、いくつか買ったのちに気づいた。 それ以来、コートを買うときは真っ先に袖を見る。 ポンチョもいいな~と思うのだけど、ポンチョのバランスって上級よね。 靴もけっこう試した。 この数年はメレルのトレッキングシューズしか買っていないし履いていない。 トレッキングシューズはどこまででも歩けるから好き。 本当はショートブーツにずっと憧れていて、背が高い私に絶対合うはず、と思っているのだが、少

          こだわり

          60

          先日誕生日を迎え、60歳になった。 around還暦ではない、Just還暦。 びっくりだ、自分が60になるなんて。 60ってこんな感じなんだ。 現実感が乏しい。 昨日と何も変わらないのはもちろん、10年前ともなにも変わっていない。 とはいっても、本当に何も変わっていなければ、それはそれで問題で。 わかりやすいところでいえば、体力がなくなった。もともとなかったけど、目に見えて減ってきた。もう100mはおろか、20mも走れない。 歩くのはいくらでも歩けるけど、走るのはもう無理。

          ブレイクスルー

          私のピアノのレッスンでも、NHKの「3マス(3か月でマスターするピアノ)」が話題になる。 というか、私が話題にしている。 本屋さんにたった一冊だけ売れ残っていたテキストを勇んで購入し、それを手元に3マスを見ているのだけど、生徒のお二人ともすごいな。 特に全くの初心者の男性は、指はガチガチに緊張しているけれど、いつも笑顔で楽しそうだ。 スタジオで、カメラもあり、人も大勢いるのに、何なら先生一人相手にする私よりよっぽど余裕を感じる。 その男性の課題曲は「ジムノペディ」 楽譜を見

          ブレイクスルー

          衣替え

          数年前、自分の部屋を持てるようになったとき、結構な数の洋服を捨てた。 小さなクローゼットに収まるくらいに減らし、ほとんどの服を掛けて収納し、夏と冬で手前と奥を入れ替えるだけで済むようにした。 そうやって、ただ位置を少し変えるだけの衣替えでも、いつやればいいのかこの温暖化ではかなり悩む。 通勤にジャケットが必要になった先日、やっと衣替えをした。 洋服を買ったらその分捨てることにしているので、増減はあまりない。 ただ、ダウンコートをどうするか、衣替えのたびに悩んでいた。 その

          損切り

          損切りとはもともと株の世界の言葉だが、読書でいえば本を読むのを途中でやめてしまうこと。 私はつい最近まで損切りをしたことがなかった。 一度読み始めたら、どんなにつまらなくても、難しくても、これ以上読んでも何も得られないと思っても、必ず奥付まで読み切っていた。 やめない理由としては、もう少しいけば面白くなるかもしれないと期待するからであり、実際残り数十ページがとんでもなく面白い本もあるわけで、その期待がある限りやめられなかった。 あと、意味不明な理由としては、著者に失礼な気が

          かかりつけ

          そこそこ健康なので、かかりつけ医がない。 婦人科は年二回お世話になるので、かかりつけと呼べるかわからないけど、いつも行くところがある。 でも他の科はない。 そも、具合が悪くならなければ受診しないし、受診しなければかかりつけもなくて当然か。 で、また耳の調子が悪くなり。 このときと同じ、音が二重に聞こえる。 「あー同じやつ」とすぐわかったのだが、3月の時はそのあと仕事だったので職場の近くの耳鼻科に行った。 今回はお休みの日だったので、家の近くで耳鼻科を探し、一番近いところに

          かかりつけ

          月謝

          私が通っているレッスンでは、お月謝ではなく、都度レッスン料をお渡ししているのだけど、その封筒が汚れていたことがあった。 特別なものを用意しているわけではなく、中が透けないような厚めの封筒に入れているだけだけど、その表面に丸くシミのようなものがついていた。 先生にお渡ししたときに気づいたので取り替えることもできず。 申し訳ない気持ちでいっぱいだった。 少し前、Twitterでお月謝を新札で渡すかどうか、という話がバズっていた。 定期的にこすられる話なのでいつも通りの意見が出て

          北風と太陽

          「いしいさん、こういうの買いたいんですけど、いいですか?」 「あ~いいですよ~。好きなの買ってください」 「いくつか候補出しますね」 「ん~面倒だから、いいと思ったら買って。事後報告でいいです」 私が自由に動かせるお金はそんなに多くないけど、使い方は決まっている。 より安全なもの。 より便利になるもの。 より楽になるもの。 そうであれば、ざっくりと〇円以内なら私の承諾なしに買っていい、ということにしている。 今回は特殊なものだったので聞いてきてくれたけど、初めて買うものであ

          北風と太陽

          選挙

          私は子育てを全くと言っていいほどしていない。 「可愛い、可愛い」と能天気に頭をなでているうちに、立派に大人になってくれた。 子どもの賢さに甘え、助けられて、どうにかこうなった。 そんな手抜き子育てで、子どもにあえて教えたことがふたつある。 ひとつは箸の使い方。 これは私の好みであり、偏見だけど、箸の使い方の下手な人と一緒にご飯を食べたくない。 食べ方は、料理によっては多少汚くなることもあるけれど、箸の持ち方は美しくあるべきだ。 美しい持ち方が、結局のところいちばん合理的な使

          半券

          賛助会員になっているアマチュアオーケストラから、座席指定ができるようになる、とお知らせがあった。 賛助会員になる代わりに定期公演に招待されるのだけれど、これまで座席の指定はできなかった。 そんなに悪い席に当たることもなかったし、アマチュアではそういうものかと思っていたのだけど、たしかに最近は大きな箱での演奏会ばかりで、席を指定したいという気持ちもわかる。 座席指定を希望するかしないか、選ぶことができる。 しかも無料。 これはいいのでは?と思ったら、座席指定は電子チケットのみ

          音楽の美

          いしいは感動した。 必ず、かの美しい音楽を知らねばならぬと決意した。 いしいにはラヴェルがわからぬ。 いしいはピアノ初心者である。 仕事をし、本を読んで暮らしてきた。 けれどもラヴェルに対しては人一倍鈍感であった。 ラヴェルの良さが全然わからない。 ボレロとパヴァーヌくらいしか聴いたことがない。 退屈で、わかりづらく、耳をするっと通り抜けて引っかかりもしない。 たぶん一生聴くことはないだろうと思っていたのだけど、そのとき演奏会で一番撃ち抜かれたのは、もっとも興味のなかったラ

          音楽の美