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ベアリングの調達を最適化してコストダウンを狙う


ベアリングとは

ベアリングとは、ある機会で回転を必要とする場合、
その回転や往復運動する相手部品に接して荷重を受け、
軸などを支持する部品(なめらかに回転させる)であり、
日本語では軸受(じくうけ)と呼ばれたりします。

通称、「機械産業のコメ」と呼ばれるほど、
あらゆる機械に用いられている部品の一つです。

主に機械の中で回転する軸を支える部品に用いられます。
どこで調達しても大きな形状の違いはなく、
ほぼ円形で内輪、ボール、外輪の3層で形成されています。

ベアリングが使用される機械とは、
たとえば身近なものでいうと、自動車です。
自動車ではおよそ120個程度のベアリングが使用されています。

その他、航空機や発電機、
もっと私たちの日常生活で見かける身近な物では、
冷蔵庫や掃除機、エアコンといった家電製品の一部分にも、
使用されています。

ただ、こんなに多く用いられて、
私たちの暮らしが成り立たないほど大変重要な部品パーツであるのに、
ベアリングのことをよくわからない人が多いと思います。

なぜか。

それはほぼ見えない部分に使用されているからです。

機械の中で、回転する部分といえば、
車輪や歯車、タービン、ローターなどを取り付けた箇所になりますが、
あらゆる機械には回転する「軸」があり、
ほぼ必ずと言っていいほどベアリングが使用されることから、
コストダウンを考えた場合には、まず対象にしたい部品でもあります。

ベアリングの役割とは

機械をなめらかに動かすために、これまで見てきたベアリングは、
どのような役割を果たしているのでしょうか?
ベアリングには大聞く分けて、2つの役割があります。

●役割1
「摩擦」を限りなく0に近づけ、回転をなめらかにする。
回転する軸と、回転を支える部分には、
原理物理的にみても必ず摩擦が生じます。

ベアリングは、この回転する軸と、
回転を支える部分との間に使用される物です。

ベアリングの働きこそが摩擦を極限まで抑え、
エネルギー消費量を少なくするのです。
これが最大の役割となります。

もし回転した時の摩擦が大きいと、
その部分の温度が上昇するだけでなく、
動力損失が増すことによって、
障害(=問題)が生じることが考えられます。

それらを未然に防ぐためにも、ベアリングの高い技術が必要となるのです。

●役割2回転する軸を正しい位置に保ち、回転を支える部分を守る。
回転する軸と、回転を支える部分との間には、
大きな力(負荷)がかかります。

ベアリングは、
この大きな力によって回転を支える部分が故障することを防ぎ、
回転する軸を正しい位置に保つ役割を担っています。
長時間回転する機会を繰り返し使用できるのも、
ベアリングのおかげなのです。

ベアリングの製造企業 

ベアリングの世界市場の40%をアジアが占めています。
日本は位置関係から、調達購買先としてアジア各国を選定しやすく、
コストダウンを考えた場合に、
比較的競争力のある企業を選定しやすいです。

特にお隣の国である中国は、
世界の工場となった時期から急速な成長に伴い、
今では世界の5分の1を占めるシェアを生産するほどになりました。

日本でベアリング調達の需要は年々減少しつつあり、
現在は世界の15%以下と推定されています。
また、インド、タイ、インドネシア、マレーシア、韓国も、
ベアリング生産国として急成長しています。

中国市場については、ローカル企業と外資系企業、
さらに中国と海外の合弁企業が乱れた状態で、
世界のシェアを牛耳っています。

アジア全体ではSKF社(スウェーデン企業)の出資先=SKF社が、
最大のシェアを持っていると推測され、
中国市場では日本の日本精工が618億円ほどベアリングを販売しており、
中国市場のシェアホルダーと推測します。 

国内ベアリング製造業社

日本精工株式会社
日本エスケイエフ株式会社
株式会社ジェイテクト
大同メタル工業株式会社
株式会社南海精工所
株式会社木村洋行 

海外ベアリング製造業者

瓦房店軸承集団
洛陽
LYCSKF
斯凱孚汽車軸承

上記以外にもベアリング製造業社は、多数存在しています。
自社で使用する物量が多ければ多いほど、
その既存の調達先がベストサプライヤーなのかどうかを問うべきです。

是非、この機会に、
ベアリングの見直しによる、
大きなコストダウンを狙ってみてはいかがでしょうか?


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