踊りと音楽について、その道のプロに聞いてみた #1
おとぎ話やディズニー映画に出てくるような、お姫様と王子様が優雅に踊る舞踏会。
幼い頃に憧れた人も多いのではないでしょうか?
なかなか一般庶民には縁遠い世界ですが、遠いからこそあの煌びやかな世界に憧れちゃうんですよね。
クラシック音楽の世界でも、舞踏会のシーンはバレエやオペラによく出てきますが、今日はあるコンサートにスポットを当てたいと思います。
それは、年の初めの「ニューイヤーコンサート」
単語の意味としては、新年にやるコンサートは全部「ニューイヤーコンサート」ですが、ことクラシック音楽の世界では、新年に開催される、ワルツやポルカと呼ばれる踊りの曲をたくさんやるコンサートを指すことが多いのです。
それは今から100年くらい前、オーストリアのウィーンで始まったニューイヤーコンサートが元になっているのですが・・・
紆余曲折、七転八倒、諸説ありまくりなので、ここでは省きますね!
(気になる人は「ウィーンフィル ニューイヤーコンサート 歴史」で検索!)
もの凄くざっくり言うと、「みんなが楽しめる曲を、みんなで楽しもうよ!」というコンサートなんです…!
みなさんもご存知の通り、クラシック音楽って1時間くらいある長い曲をやるのが普通だったりします。
それは今も100年前も同じで、やはり全ての人が楽しんで興味深く聴くものではありませんでした。
けれど、新年のおめでたいコンサートは市民みんなが楽しめる曲をやろうと、当時の娯楽音楽であったワルツやポルカという短い踊りの曲を、次から次へとたくさん演奏することで、多くの市民から人気を得たのがウィーンのニューイヤーコンサート。
そんなウィーンの文化が現代でも続き、世界中のオーケストラでも開催されるようになったのが、いわゆる「クラシック音楽界のニューイヤーコンサート」です。
さて、前置きが長くなりすぎましたが、今回はそんなニューイヤーコンサートをもっと楽しむために、踊りのプロに踊りのことを聞いてきました!
そのまま聴いても楽しめるワルツやポルカだけど、やっぱり元は踊りの曲!踊りの観点から聴いたらまた違って聴こえるかも?
クラシック音楽初心者さんも、何年もニューイヤーコンサートを聴いているベテランさんも、今年は踊りながら新年を楽しみましょう!
餅は餅屋に
さて、私たちは演奏のプロではありますが、踊りのプロではありません。
ならば踊りのプロに話を聞くのが一番!
ということで、新日本フィルの公演にも出演してくださっている、バレリーナの星野沙良亜さんにお話を聞きました。
腰野:今日はよろしくお願いします!
早速ですが、オーケストラのニューイヤーコンサートは聴いたことがありますか?
星野:よろしくお願いします!
…実はニューイヤーコンサートには行ったことはないんです。
腰野:そうですよね、なかなか行ったことがある人の方が少ないと思います。
なぜ今回、バレリーナである沙良亜さんをお招きしたかというと、毎年ウィーンフィルハーモニー管弦楽団のニューイヤーコンサートがNHKで放送されるのですが、そこにウィーン国立バレエ団の方々も一緒に出演されるんです。
ウィーンフィルの演奏するワルツに合わせてバレエを踊っている姿を毎年テレビで見ていたので、いつかバレエのプロフェッショナルに話を聞いてみたいとずっと思っていました。
こんな感じなんですけど…
星野:(動画を見て) あ!
この映像と全く同じものを、つい数日前に家電量販店のテレビ売り場で見ました!笑
これはニューイヤーコンサートの映像だったんですね!笑
腰野:そうです!笑
星野:知らないうちにニューイヤーコンサートを聴いていました。
腰野:年末年始になるとテレビでよく流れているので、見たことがある人も多いかもしれませんね!
本当に何も知らず恐縮なんですが…この映像を見ると、バレエというと思い浮かべる感じには見えないのですが…これはバレエなんですか??
星野:そうですね、ひとくちにバレエと言っても色々な表現があるし、そもそも世の中の色々なダンスの中にはバレエの要素も含まれているんです。どの踊りも少しずつ繋がりがあるんですね。
バレエ自体はヨーロッパの宮廷舞踊から始まっているんですが、このニューイヤーコンサートの踊りをパッと見た感じ、どちらかというと宮廷舞踊寄りな動きに見えますね。
例えばバレエ作品の中でよくワルツが出てくるのは、舞踏会で客人達が踊るシーン。
そこでは、裾の長いドレスを来て、ヒールのある靴で優雅に踊ります。この踊りもバレエなんだけど、いわゆる基本的なバレエの動きとは少し違って、宮廷舞踊寄りの動きなんですね。
それに近いかなと思います。
腰野:お正月のウィーン国立バレエの振り付けはその年ごとに違うので、この1997年は特に宮廷舞踊寄りな振り付けかも知れませんね!
沙良亜さんとのお話は次回につづきます…
次回は実際に踊ってもらいながらの解説!
***
お正月のウィーンフィルハーモニーとウィーン国立バレエのニューイヤーコンサートは、毎年振り付けや衣装等も趣向を凝らしていて、とても話題になります。
過去にはヴィヴィアン・ウエストウッドや、クリスチャン・ラクロワが衣装デザインを手掛けた年も!
今年も元旦にNHKで放送されますので、ご期待ください。
そして、新日本フィルハーモニー交響楽団のニューイヤーコンサートはこちら。
今年は全部で6公演!
●2023年1月3日 14:00開演
すみだトリフォニーホール
詳細:https://www.njp.or.jp/concerts/27181
●2023年1月4日 15:00開演
曳舟文化センター《落語&オーケストラ》
詳細:https://www.njp.or.jp/concerts/230104/
● 2023年1月6日 18:30開演
つくばノバホール《映画音楽とニューイヤー》
詳細:https://www.njp.or.jp/concerts/230106/
●2023年1月7日 14:00開演
府中の森芸術劇場《映画音楽とニューイヤー》
詳細:https://www.njp.or.jp/concerts/230107
● 2023年1月9日 16:00開演
可児市文化創造センター(岐阜県)
詳細:https://www.njp.or.jp/concerts/230109/
● 2023年1月29日 14:00開演
サンシティホール(埼玉県越谷市)
詳細:https://www.njp.or.jp/concerts/230129/
華やかな雰囲気を味わいに、是非ニューイヤーコンサートに足を運んで頂けたら幸いです。
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