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HEROSHOW vol.9-農家から学ぶ、これからの生き方-

こんにちは。NEWHERO事務局の堀内です。
毎回テーマに応じたゲストを招き、インタビューや参加者の皆さんとのワークや議論を交えながら開催しているHEROSHOW。

今回は、2021年8月25日(水)に開催した、第9回HEROSHOW「農家から学ぶ、これからの生き方」のレポートをお届けします!

【ゲスト】
山﨑達也さん恵さん
信州やまざき農園
2019年4月に信州やまざき農園として独立。
農薬を使わないコシヒカリや旬の野菜、減農薬栽培の果物など、土地の自力を大切にした農業を実践中。

白石 長利さん
ファーム白石オーナー。
福島県いわき市にて、MOA自然農法(無農薬&無化学肥料)栽培を中心として、冬野菜や米を栽培。

気候の変動や100年に1度と言われる災害が毎年のように起こる昨今。そのような自然の影響を一番に受ける農業を営まれているお三方に、自然との付き合い方や考え方、大切にしていることなどをお話しいただきました。

自然災害や気候の影

ー最近の気候の問題や自然界で感じることなどをお話しいただけますか。

山崎 恵さん 「2019年に起こった台風19号の際にぶどうが流されてしまう被害があったのですが、今回の8月の大雨もその時と同じ感覚がありました。ここのところ毎年何らかの自然災害が起こっており、何かあるのが当たり前のように感じています。何か私たちにできることはないかと考えさせられ、できることは小さくとも、何かしなければいけないなと思います。」

ー生活者としても影響のある自然災害の状況だと思いますが、農業者として白石さんはどんなことを感じていらっしゃいますか?

白石さん「同じく台風19号の際に畑、田んぼ、ハウス、自宅全てが水没した経験があります。その時は被害がひどすぎて、もう笑うしかなかったですね。怖いというのもありますが、自然の脅威を感じました。ただこれまでの災害の中で一番影響があったのは、やはり東日本大震災とそれによる原発事故で、その時の経験があったので水害の際には冷静でいられることができました。」

台風19号や東日本大震災の影響があり、自然の脅威を感じたというお話から、一生活者である自分たちにも何かできることはないかと考えさせられました。

適地適作、臨機応変

ー「自然農法」とは農薬や化学肥料を使わない農法のことを指す言葉であると思いますが、達也さんが自然農法に取り組まれたのはどんな理由からだったのでしょうか。

山崎 達也さん「私たちは農薬を使う使わない、オーガニックがいい悪いではなく、土の状態に合わせて作物を作ることを意識しています。これまでの農業のやり方は、"より多く"、"より形のよいもの"を作って、"世の中に流通させるため"、"収量を増やすため"に行っていました。そんな中、コロナの影響で学校給食が止まった際には、学校へ卸していた農家さんは作物を全て廃棄。一方、おうち時間の需要でスーパーの野菜は高騰していて、従来のやり方がすごくチグハグだなと感じたんです。ですから、私たちは"何のために"、"どれくらいの量を作るのか"を大切にしています。必要な量だけ作る分には化成肥料を入れなくても作れるので、化学肥料は使っていません。”悪いから使わない”ということではなく”必要がないから使わない”という感覚ですでいます。お客さんの喜んでくれる顔を見られるのが楽しみですね。」

ー達也さんはこのようにおっしゃってくださいましたが、白石さんは農作物の作り方に対してどのような楽しみ方や想いがありますか?

白石さん「自分も山﨑さんの感覚に近い農家ですね。農家と言っても色々なタイプがいると思いますが、自分も大量生産は出来ないです。コロナが流行したことは、これからの時代への準備期間や何かしらの警告なんだなと受けとめています。コロナでなかなかスーパーへ行けない方たちのために会社へ出張販売をしに行くなど、コロナのお陰で新しい販売の仕方ができていると思っています。災害を通して『適地適作、臨機応変』という観点に気づきました。目の前のことを精一杯やればいいんですよね。」

綺麗な野菜や大量生産が求められているのであれば、化成肥料が必要かもしれません。しかし、本当にそれが『必要』なことなのか。届けられる人に必要な分の野菜を作るのであれば、化成肥料も農薬も必要がないことに気づけます。農作物の「適地適作」という言葉は人間にも同じことが言え、「今私には何が必要なんだろう」「私には何ができるのだろう」と考えるきっかけになりました。

参加者の方々から寄せられた質問

最後に、参加いただいた方々から寄せられた質問にお答えいただきました。

ー農家さんが感じる農業の魅力は何でしょうか?

山崎 達也さん「旬のものを一番おいしい時に食べることが出来ることです。」
山崎 恵さん「食べることはみんながすることなので、人を喜ばすことができることですね。」
白石さん「一瞬で相手の感覚を虜にさせられることです。」

ー自然災害のようなコントロール出来ない外部要因に対して、対策はありますか?

山崎 達也さん「心理的対策で言えば受け入れるしかなくて、物理的な面では保険をかけています。」
白石さん「持ち出せる道具などは高台に出す、地域の同業者とコミュニケーションを取り生きた情報収集をすることです。」

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自然災害などの外的要因に対する対策や心構えの話から、コロナを通して新しい時代をどう生きるか、適地適作の考えのもと自分には何が出来るかなど、生き方の話にまで広がった今回のHEROSHOW。学びと気づきの多いお時間でした!

今回出演された山﨑達也さん・恵さん、白石長利さん
そしてご参加いただいた皆様。
貴重なお時間をありがとうございました!

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ゲスト:山﨑 達也・恵(信州やまざき農園)
白石 長利(ファーム白石)
インタビュアー:谷本 明夢
グラフィック:藤田 絵梨(NEWHERO事務局)
文:堀内香(NEWHERO事務局)



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