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「観光と移住」の間を増やす暮らしの寄り道 WINGS EVENTREPORT

こちらは、2021年12月18日に開催された #HEROCAMP  の裏側で伴走しておりました学生&運営によるWINGSチームによるイベントレポートのご紹介です。こちらのレポートは、NEWHERO事務局の堀内 香がお届けしております!


《 ぼくが漫画家になるまでの話〜『ローカル×ローカル』ができるまで 〜》 EVENT REPORT

2021年12月18日開催 #HEROCAMP より


今住んでいるまちの魅力をもっと知ってもらいたい。

どうしたらこのまちに興味をもってもらえるんだろう?

今いるまちの人達が、もっと自分の住んでいる場所を好きになるにはどうしたらいいんだろう?

地方活性化や地域おこしなど、『まちづくり』に関わるなかでそんな悩みをもったことはありませんか?

『行政』といった、影響力や人を動かす力のある人たちだけができることなのでしょうか…

いや、もしかしたら『わたし』から始められるのかも。

今回の HEROCAMP 忘年会では、cakesにて連載中の漫画『ローカル×ローカル』に登場するイッテツさんとヤノモトさんに、『ローカル×ローカル』ができるまでのエピソードやまちづくりに関するお話を伺いました。



【SUPER GUEST プロフィール】

●イッテツさん

鹿児島出身。東京の出版社で編集者を経て、2018年地方へ移住。ローカルメディア「南伊豆新聞」、1対1の暮らし体験「南伊豆くらし図鑑」を運営。2021年宿「ローカル×ローカル」開業。cakesにて漫画『ローカル×ローカル』連載中。

●ヤノモトさん

イッテツの友達。フリーランス。さまざまなエリアで仕事をする謎の男。イッテツに地方移住を勧める。



どこで、誰と、何を?


「スーパーゲストとして紹介頂きましたが、僕はなんてことない普通のやつです。」

こんな一言から始まった、漫画の印象通り親しみやすい雰囲気のイッテツさんの自己紹介。
東京の出版社で働いていたイッテツさんは、挫折を繰り返し、自分には何がハマるんだろうと模索する日々の中で、「都会」から「地方」へ行くことに偏見を持っていたというイッテツさん。
東京が大好きで離れる理由もなかったため、「伊豆で仕事しないか?」というヤノモトさんからの誘いも一度は断られたそうです。

イッテツさん「伊豆に縁もないので無理です。って言ったんですが、ヤノモトと仕事をするのは面白そうだなって思いました。知り合いが物事を決める価値基準を『自分が漫画やドラマの主人公だったら、どっちがストーリー的にワクワクするか』としていて、そう考えると『どこで』は僕にとって重要ではなく、『ヤノモトと』仕事をしたいって思いました。」

そうして「ローカル×ローカル」の舞台である南伊豆へ。



大きいことはしていない。小さいやり方がある!


南伊豆では、地域おこし協力隊としてローカルメディアの立ち上げや、南伊豆で暮らす人々の日常を体験できるプチ移住体験などに従事。「また来ます!」の関係づくりを大切にし、移住でも観光でもない関係人口を増やすために尽力していたそうです。

しかし、「2020年はオリンピック需要もあるし、宿を始めよう。」と思っていた矢先にコロナショック…

イッテツさん「宿は工事ストップ、取材もできない、体験サービスもストップ!何をしようというときに『広報として漫画を描いてみよう。』と、移住体験をnoteに投稿したところ賞を受賞し、漫画家となりました。漫画と並行して宿の準備も進め、宿『ローカル×ローカル』が誕生しました。」

「自分自身は宿を通して決して大きなことはしておらず、自分ごととして面白がってやっているだけ。」と話すイッテツさん。

自分にできることは人と人を繋ぐ交流の入り口をつくることで、大きな何かをしているわけではなく、小さな点を繋いでいる。
「都市」や「地方」とか大きなくくりではなくエリアを絞ったことをローカルというなら、「わたしとあなた」も究極のローカルではないかという想いで「ローカル×ローカル」と名付けたそうです。

一人ひとりの小さな声や想いを拾って、まちづくりをしている――そんな印象を感じるのは、「わたしとあなた」という気持ちを根底に持っていらっしゃるからなんだなと思いました。



巻き込む、巻き込まれるじゃない。
自分の「やりたい!」を言語化していく


「まちづくりを行うなかで、仕掛けて巻き込んでいく側と、協力して巻き込まれる側のモチベーションの継続はどう意識されていますか?」という話題に。

イッテツさん「本当に面白いことじゃないと続かないですよね。あと、相手を変えようとしないことですかね。」

ヤノモトさん「巻き込む巻き込まれるじゃなく、主体者が増えたほうが面白いと思っています。モチベーションって外から上げられるものじゃないと思っているので、そもそも好きじゃないと続かない。知識や経験は獲得の仕方がわかっているけど、興味や好奇心は獲得できるものではないので、未完成だったりのびしろがあったりする方に惹かれるのかなと思います。
大きなキャンプファイヤーを囲むより、いろんな人が自分の火種を起こせるほうがモチベーションは続くかな。」

誰かの「やりたい」に乗っかる方が楽だけど、「支援者」としてまちづくりに参加するのではなく、自分の「やりたい」を言語化して主体的に関わっていくことが継続には大切なのではないかと話すヤノモトさん。


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「協力」や「支援」ではなく、面白がって自分も主体的に関わることは、まちづくりだけでなく仕事や日々の生活でも活かせることだと感じました。

まちづくりに大切なのは、影響力や行政の力ではなく、『わたし』が何を好きでどうしたいのか。自分の『やりたい』に向き合って声をあげ、『あなた』と繋がっていくことが重要なのかなと思いました。

まだまだ聞き足りないと感じる、とても楽しい時間でした。もっとイッテツさんとヤノモトさんのことが知りたくなり、noteとcakesをチェックしちゃいました。まちづくりに携わっているあなたも、まちづくりってどういうこと?とまだよくわかっていないあなたも、ぜひお二人が登場する「ローカル×ローカル」を読んでみてください!きっとあなたとあなたのまちの人との距離が近くなるはず。


執筆:【NEWHERO事務局】堀内 香



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