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HEROSHOW vol.5- その告知は、本当に必要か -

こんにちは。NEWHERO事務局の堀内です。
5回目のHEROSHOW- その告知は、本当に必要か -のレポートをお届けしたいと思います。

HEROSHOWは、毎回テーマに応じたゲストを招きインタビューや、参加者の皆さんとのワークや議論を交えながら進める、全員参加型のワークショップ&トークセッションです。

第5回目は、ひとしずく株式会社 代表こくぼひろし さん、 高校生が伝えるふくしま食べる通信 事務局長 椎根 里奈さんをゲストに招き、 その告知は、本当に必要かについて、お2人の経験や考えをお話しいただきました。

まず今回のHEROSHOWにどんなことに興味を持って参加しているのか、参加者のみなさまからはこのようなコメントが寄せられました。

・いつも告知が苦手です。なので、必要な人に情報が届くように勉強させていただきたいです
・新しい広報のあり方みたいなもののヒントが得られたら嬉しいなと思い参加しました!
・NPOとか社協とかいろんなところで広報やPRをどうやってやるか最近考えているので参加しました

広報の仕方に悩んでいたり、どう伝えたらいいのか「広報・PR」に対するみなさんの関心の高さが伺えます。ゲストのお二人は広報にどのようなポイントを置いていらっしゃるのかお話を伺いました。

どこに伝えて、どこに伝えないか

HEROSHOWvol5グラレコ

ー椎根さんは高校生と一緒にお仕事をされていますが、実際に高校生たちは「広報」にどのような姿勢で取り組んでいますか?

椎根さん「SNSを使いこなせる世代なのですが、積極的に発信はしていないですね。
どちらかというと食べる通信で取材に行って自分が見聞きしたことを言語化するということそのものが経験になっています。高校生の彼らは、福島の食べ物をPRしたいというよりは、自分たちの経験の糧にしたいというモチベーションのほうが高いようですね。
広報という意味で言うと遠慮がちな気がします。」

ー事務局としてはどのような思いでこのプロジェクトを運営されているのですか?

椎根さん「抵抗感のある人は、『福島のもの』って聞いただけで絶対に食べないので、食べろ食べろというスタンスではないですね。ちょっとよくわからないな、という態度を決めかねている方に届いたらばいいなと思っています。」

福島の高校生たちが自分探しの一貫で「ふくしま食べる通信」に取り組むこと自体が復興に繋がると考えているため、多くの人へ届けるため、というよりは自分の経験として高校生たちも取り組んでいるようです。広く浅く広報すればいいというわけではなく、興味のある人たちに届いて欲しいという思いで活動をされているそうです。

伝えない広報

椎根さんのお話をお聞きして、こくぼさんだったらどうされますか?という話題に。組織での広報の考え方について、こくぼさんは次のように話します。

こくぼさん「いろんな方から広報のご相談をいただきますが、正直答えはないと思っています。『本当に今それをやる必要ありますか?』という問いを大切にしていまして、限られたリソースでやっているので『広報は最後でいい』『伝えない選択肢もある』と思っています。当事者の方が素晴らしいと思って下されば自然と広がっていくこともあると思うので『今あるリソースを何にさかなければいけないのか』という前提から広報を考えるべきだと思っています。」

ー伝えない広報という言葉にはどのようなメッセージが込められていますか?

こくぼさん「伝えたいからこそ伝えすぎないことが大事ではないかなと思っていまして、面接の際にも全て話してしまうと興味をもたれなかったりするので、40%くらいの話をして質問に答えるような戦い方もあるんじゃないでしょうか。」

ー伝えたいことが沢山あるのに、伝えすぎないというバランスがとても難しいと思います。
状況に応じた対応をするためにはどうしたら良いでしょうか?

こくぼさん「情報の用意はしておくべきだと思います。アクセス出来るところに情報を置いておいたり、興味を持ってくれた人が情報を得られるようにはしておきます。」

椎根さん「共感してくださる方に自然体で届いてほしいと思っているので、直接対峙した方に100%の熱量で伝わってほしいと思い活動しています。自分が届けたい人にだけ届けばいいなと思っていましたが、届いたらこの人もっと良くなるなという人にも届けられたらいいなと思いました。」

届ける相手を意識する

SNSとリアルなコミュニケーションとでは発信の仕方も違うと思います。こくぼさんにオンラインで情報を発信する際に意識していることを伺いました。

こくぼさん「思考が態度に現れると思いますので、運営されてる方々のMTGに入ると、うまくいくかどうか大体わかります。濃縮還元ジュースに例えているのですが、中心の方々の濃縮(熱量)が100%じゃなく20%だと、告知で届くのは1%くらいになります。
そして、自分たちがやりたいからではなく、相手がこれを知らなかったらすごくもったいないという気持ちで告知をすることが大切だと思っています。」

ー自分が良いと思って伝えている時と相手を思って伝えている時では、表に出るメッセージに違いはありますか?


こくぼさん「自分が良いと思って伝えている場合は、大体主語が『自分』になっていることが多いですね。届ける相手にとって良いかどうかを考えていれば、主語は『相手』か『社会』になると思います。そこの視点で見るとわかりやすいかなと思います。」

届ける相手を思って行う広報は、主語が相手になるべきというお話。言葉の選び方や主語の置き方で印象がガラッと変わってしまうんだなと感じました。

イベント終了後には、参加者の方からも様々な感想が寄せられました。最後にその
一部をご紹介します!

「漏れなく伝える」に終始しがちかと思いましたが、『伝えたいからこそ、伝えすぎない』など、相手の立場にたつこと、また、外部に伝えることに目がいきがちですが、まずはスタッフ内のコミュニケーションがとれているか?など、コミュニケ―ションの基本こそが『伝える』の核なのだと、今日の参加は、明日からの自分の行動や視点に、たとえ小さくとも変化(良い波紋)が生まれそうです。ありがとうございました。
相手を想って、届けるべき人に深く届くように。広報って思いやりなのかなって個人的に思いました。
こくぼさんのキーワードセンスが素晴らしくて、「後方=広報支援」「伝えない広報」「濃縮還元ジュース」など、さすが。もっと知りたくなりました。

他にもたくさんの感想を頂き嬉しく思います。

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「伝える」ということについて改めて考えるきっかけとなった今回のHEROSHOW。「伝える」という行動には必ず相手がいます。私も、届けたい人に届くコミュニケーションを意識していきたいと思いました。

出演された
こくぼひろしさん
椎根 里奈さん
そしてご参加いただいた皆様ありがとうございました!
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ゲスト:こくぼひろし (ひとしずく株式会社 代表)
椎根 里奈(高校生が伝えるふくしま食べる通信 事務局長 )
インタビュアー:谷本 明夢(NEWHEROコミュニティマネージャー)
グラフィック:山岸 智也(グラフィックレコーダー)、藤田 絵梨(NEWHERO事務局)
文:堀内 香(NEWHERO事務局)

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