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HEROSHOW vol.6- 現役高校生が、クラファン。その目的とは -

こんにちは。NEWHERO事務局の山本です。
毎回テーマに応じたゲストを招き、インタビューや参加者の皆さんとのワークや議論を交えながら開催しているHEROSHOW。

今回は、2021年4月21日(水)に開催した、第6回HEROSHOW「現役高校生が、クラファン。その目的とは」のレポートをお届けします!


【ゲスト】
森田鉄平さん(中学校教員/トンガリーズ顧問)
神奈川県で教員をしながら、教育現場だけで子どもたちの未来を創るのは難しいという思いから「トンガリ-ズ」を設立。現在、神奈川県の高校生たち20名弱ほどのメンバーと共に、人生を面白くしていく学びを実践中。

茨木いずみさん(NPO法人田原未来プロジェクト所属)
「地域の歴史的建造物を活用しながら、文化的な暮らしをつくっていこう」をテーマに活動。その地域でしかできない学びを創っていきたいという思いを持ちながら、主にアイデア担当として活躍。


ゲストのお二人が経験した高校生たちとのクラウドファンディングはどのようなものだったのでしょうか。今回は、クラファンに挑戦した高校生の姿や、それを通じて得られたことをお話しいただきました。

きっかけは高校生たちの思い

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ーまずは、お二人それぞれチャレンジしたクラファンの目的や内容を教えてください。

森田さん「クラファンを始めたのは、『世の中の暗い雰囲気を明るくするために、江ノ島で打ち上げ花火をあげたい』という高校生たちの思いがきっかけです。また、高校生でもこんなことが実現できるとアピールし、中高生たちに一歩踏み出す勇気を与えたいという気持ちでプロジェクトが始動しました。目標金額は80万円、最終的には現金での支援もあり120万円という費用を集めることができました。」

茨木さん「高校生と一緒に謎解きイベントを企画していたとき、この辺りは昔、荷馬車が走って賑わっていたことを知りました。クラファンは、それを聞いた高校生の『イベントでも馬車が走っていたらおもしろいよね!』という言葉がきっかけでスタートします。馬車を用意する費用として110万円を目標に取り組み、1カ月間で寄付金を含めて112万円の支援金が集めることができました。」

ークラウドファンディングは大人が挑戦しても難しいと思いますが、高校生との挑戦で難しかったことはありますか?

森田さん「地域性が高いイベントだったので、個人的にはどこのコミュニティにアピールすると支援につながるのかを判断するのが一番悩んだところです。高校生たちは、”自分たちの思いを精一杯伝えても結果につながるとは限らない”という経験を通して、伝えることの難しさを感じている様子でした。コアなメンバーとは思いを伝える練習を頻繁にしていました。」

茨木さん「私は、クラファンの前のイベント企画時に、高校生たちが楽しそうではなかったように見えたことが気がかりでした。高校生たちの本音が見えない中進めていくうちに、やっとテンション上がったと感じることができたのがクラファンのタイミングです。自分たちがやっていることに対して、お金という形で支援が目に見えたのがモチベーションになったのかなと感じています。」

目的は違えど、純粋な思いやアイデアがきっかけでスタートした高校生たちのクラファン。伝えた思いに対する応援は、目標に向かう彼らのモチベーションにもなったようです。

「伝える」と「伝わる」は違う。現実を知る強さ

ー思いを伝えた先に、言い方を変えると「お金をください」と伝えなければいけない場面もあったと思います。その時の高校生の様子はどうでしたか?

森田さん「高校生は支援者個人にアプローチする機会は多くなかったので、ストレスは感じていなかったと思います。身近な人に思いを伝えて支援してもらえたことも多く、思いが伝わって嬉しいと感じる人が多かったんじゃないかな。でも集まる金額が多くなるにつれて、”支援者の思いも形にする責任あるお金だよね”と責任いう話題もあがっていました。」

茨木さん「ライトなお願いからコミュニケーションを取ると受け入れられやすかったですね。地域のお店に『募金箱を置かせてください』とお願いをする形で取り組みましたが、地域柄なのかもしれませんが学生がお願いするとほとんどの方にだいたい『いいよ』と言っていただけました。ハードルの低い支援メニューを準備したことで、高校生も取り組みやすかったと思います。」

ー高校生との挑戦には工夫も必要ですね。最後に、お二人がクラファンを通じて感じたことを教えて下さい。

森田さん「彼らにとってもすごくいい勉強になったと思います。学校では『思いを持ってぶつかれば相手に必ず届く』と教わると思いますが、現実の社会ではそうならないこともあるということを肌で感じられたのは、今後の強みにもなると思います。」

茨木さん「地域性なのか、私たちの場合は、高校生が頑張っているということで地域全体に応援してもらえたという感覚がありました。同じクラファンをするにも地域によっても感じることが違うということが今日の気付きでした。」

自分たちが決断して実行し、初めてその景色が見られるクラファンでは、思い通りに進まない経験も糧になるー 机の上では学べない実践型の学びから社会を知ることは、高校生たちをまた大きくしてくれたのではないでしょうか。

学習ごっこじゃない、本当の学びを

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最後に、今回のHEROSHOWにご参加いただいたみなさんの感想をご紹介します!

・いろんな可能性を秘めている体験ですね。失敗も成功も含めていろんなことが学べるので、高校の必修科目とかにするのも良さそうです。
・高校生のうちから社会のさまざまな面を知るのはいい機会だと思います。『学習ごっこ』からの脱却の時代が来るといいなと思いました。
・自分もクラファンに挑戦したことがありますが、高校生のフレッシュな気持ちを聞いてまたチャレンジしたいと思いました。

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ときに逆風が吹いても、みんなで乗り越える取り組みは守られた環境では体験できない貴重なチャレンジです。思いが結果につながったときの高校生たちの笑顔や、うまく行かなかったときの涙が思い浮かぶお話でした。
私たちも彼らのチャレンジを応援していきたいと思います!

今回出演された、森田鉄平さん・茨木いずみさん・そしてご参加いただいた皆様。
貴重な時間をありがとうございました!


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ゲスト:森田 鉄平 (中学校教員/トンガリーズ顧問)
茨木いずみ(NPO法人田原未来プロジェクト所属 )
インタビュアー:谷本 明夢(NEWHEROコミュニティマネージャー)
グラフィック:湯朝 かりん(グラフィックレコーダー)、藤田 絵梨(NEWHERO事務局)
文:山本美紀(NEWHERO事務局)

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