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模試の受験後にすべきこと【英語編】

こんにちは。予備校講師・受験コンサルタントのシンノです。今回は、よく質問をもらう「模試の復習方法」についてお話ししますね。

模試の時間は、いつもより集中して問題を解いた「勉強時間」と考えることもできます。ですから、受け終わったあとに適切な対応をすることで、単に学力判定だけでなく、成績の向上にもつなげることができるのです。具体的に何をすべきかについて、以下にまとめていきますので、英語についてはまずはこの通りにやってみてください。なお、受験日程のタイミングで解答がすぐにもらえない場合もありますので、この場合は解答解説冊子をもらったあとにすべきこと、と考えてもらえれば大丈夫です。

1.自己採点をする

まずは自己採点です。出来の悪いときだと「もう見たくない」という気持ちもわかりますが、ここが全ての出発点なので「なる早」でやりましょう。

ただし、自己採点の目的は点数を算出することではありません。自分のできたこと、できなかったことは何かを確認することが目的です。例えばオールマークの共通テスト模試であれば間違いなく点数が算出できますが、記述答案が多い模試では正確な点数は算出できないでしょう。特に採点基準が解答冊子に載っていない場合(大半の模試は講評で採点基準を発表しています)は、記述答案の自己採点は「机上の空論」になってしまいます。

ですから、記述答案の自己採点は点を算出するのではなく、自分の答案を解答の要素ごとに分けて、それぞれの箇所が正解と扱われるか、途中点がもらえるか、それとも全くダメかということを分析することが大切です。これが、自己採点と実際の採点とのズレに気付き、記述答案に強くなることへつながります。

2.不正解の理由を分析する

不正解の問題についてはなぜ正解できなかったのか、本文と解説(あるいは辞書や参考書など)を確認しながら検討してきましょう。例えば、単語の意味が全部分かったら問題が解けるなら「単語」が不正解の原因です。どこか英文の内容を読み落としていたなら「内容把握」が不正解の原因です。本文の内容はわかっていたのに選択肢の読み取りを誤ったのなら「選択肢の吟味」が不正解の原因です。このように、一口に「不正解」といっても色々な原因が考えられるのです。この原因の探究が次の改善へつながるのです。特に、選択式の内容一致問題などの場合は、自分が正解と判断してしまったものがなぜ不正解なのかについて確認することが大切。ここは時間を掛けてしっかりやり、解説を読んでも理解できないところは先生に質問するとよいでしょう。

3.あいまいだった正解した問題の根拠を確認する

正解の問題でもたまたま正解だったというものもありますよね。こういう問題は不正解の場合と同じように、その正解の根拠をきちんと確認していきましょう。

以上、ここまでは可能な限り模試を受験した当日~翌日(厳しい場合でも数日以内)くらいで対応を済ませたい部分です。

4.読み直して単語・熟語を拾う

長文の中には知らない単語が必ず含まれていると思います。こういったものをそのままにするのではなく、自分の「暗記ルート」にもっていくことが語彙力の増強につながっていきます。英文はひと通り読み直し、辞書や解説の語句リストを参照しながら、全く知らなかった単語・熟語、知ってはいたが意味を誤解していた単語・熟語、などを確認していきましょう。そして、これらを単語カードや単語ノート、あるいは単語帳アプリなどに転記していって、繰り返し見て覚えていくのです。「どこまで覚えればいいですか」という質問もよくもらいますが、基本的には「固有名詞系以外は全部」と考えましょう。

1つ注意点は、解説の語句リストには、その英文の中で使われている用法しか掲載されていないケースが多いということです。実際には相当レアな用法だけが載っている場合もありますので、知らなかった単語については面倒でも辞書を引いて、中心の意味、原義を確認した方がいいでしょう。

4は、模試受験後、できれば1週間以内に済ませてください

5.実際の採点とのズレを確認する

最後に、採点済の答案が返却されたら、どこで減点されているのか確認し、記述答案については1で自分が予想したものとどうずれているかチェックをしていきましょう。採点は万全を期したものになっているはずですが、どこの予備校の模試でも多少の採点のズレは生じます。採点に納得がいかない場合、単に「採点者が悪い」という場合も否定はできませんが、「考え方に問題がある」「書き方で伝わらない書き方をしてしまった」という、生徒自身気づいていないことに原因がある場合もあります。自分の自己採点時の判断と、実際の採点にずれがあって、その理由が理解できない時は、やはり信頼できる先生に相談するとよいと思います。


模試の復習方法については以上です。残念ながら、模試を偏差値や志望校の判定に利用するためのもの、と考えている人は多いですが、あんなに集中して問題を解いている時間はないのですから、うまく復習することで学力の向上にもつなげていくことが大切です。ぜひ、上で書いた内容を実践して、模試を有効活用して下さいね。

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