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複数単語帳を使った「クロスチェック学習法」

こんにちは。予備校講師・受験コンサルタントのシンノです。
以前、英単語帳についてはこんな記事をアップしました。

ここにも書いたように、私は単語帳の勉強というのは「見たことのある単語を増やす」という効果しか期待できず、「単語を使えるようにする」という目的には向いていない勉強方法だと考えています。
ただし、単語帳を使った勉強が好きだという人もいますし、それが語彙力を増やす手っ取り早い方法でもあることもまた事実ですので、今回はそういう英単語帳を使った勉強法について1つの提案をしたいと思います。それが「複数の英単語帳を使ったクロスチェック」です。
英単語帳の弱点は、
・1つの英単語帳に必要な英単語すべてが掲載されてはいない
・ある英単語帳に書かれた意味がその単語の意味のすべてではない
・1つの英単語の複数の意味を覚えるのには向いていない
といった点にあります。複数の英単語帳を使ったクロスチェックという学習法は、この弱点を補うための方法です。
具体的には1冊目の単語帳がある程度終わったと思ったら、それとは別の単語帳を用意してください。品詞別で意味がランダムのものがいいです(『ターゲット』や『ユニット別英単語』など)。そして、その2冊目の単語帳では、それを繰り返し見て覚えるのではなく、日本語訳を隠して見出し語だけ見て意味が正しく浮かぶかの単語テストとして利用するのです。
単語を知っていて、浮かんだ意味がその単語帳に掲載されているものと(ほぼ)合致すればクリアです。知らなかったものや、意味が浮かばなかったものはアウト。こういう単語は、単語カードに書き写したり単語アプリに登録したりしてください。そして、ここが大事なところですが、単語は知っているはずなのに、その単語帳に掲載されている意味と合致しなかった場合は必ず辞書で調べましょう。以前の単語帳で掲載されている意味とは別の意味で掲載されていたのかもしれないし、別の単語と勘違いしているのかもしれません。どちらにしても、こういう単語の記憶のズレが読解問題では大きな妨げとなるので、これらも辞書で確認したその単語の中心的意味や、新しい意味などを単語カードやアプリに登録しておきます
このようなチェックの仕方だと、おそらく新しい方の単語帳というのはそれほど時間もかからずすべての単語を確認できると思います。ここから先は、単語帳ではなく、漏れている単語だけをメモした単語カードやアプリの方を繰り返し見て、暗記できるようにしていきます。そしてある程度たったら、また次の単語帳に行って、また同じことをしてみてください。
こうすることで、1つの単語帳では漏れていた単語が確認できたり、別の意味を知ることもできます。「単語帳は2冊目が必要か」とか「何冊やればいいか」と聞かれることもありますが、こういう使い方だったら、何冊やってもいいと思います。
どういった単語帳がこのクロスチェックに向いているかは、こちらの記事も参考にしてみてください。英検の『パス単』も基本的にはこのクロスチェックの作業には向いていると思います。

なお、繰り返しになりますが、使える英単語を増やすには、長文から単語を拾う、という勉強が基本でなければいけません。単語帳はあくまで抜け漏れ、知っている単語を増やすという用途でしか役に立たないということをお忘れなく。

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