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数学も英語も赤点の私が東大を目指した理由(その2)

こんにちは。予備校講師・受験コンサルタントのシンノです。

高2段階で、僕の志望校は慶應義塾大総合政策学部でした。偏差値45だったけど。それで、とりあえず、春期講習には通って、受験勉強を始めようと思ったのです。

どうして河合塾を選んだかは記憶にありません。駿台も代ゼミもパンフを見た記憶はあるんですけどね。何か積極的な理由で河合塾を選んだわけではないんですよ。ただ、早稲田の併願に備えて(←相変わらずプライドだけは高い)古文の授業も取りたくて、英語と古文を同じ日取りで、自宅から近い池袋で受講できるところにしたかったのは覚えています。古文と英語を1日で連続して池袋で受講できる講座、というと選択の余地がない、ただそれだけの理由で受講したのが、芦川進一先生の「私大英語」というクラスだったのです

今の受験生世代の人は分からないでしょうが、当時、芦川先生というのは河合塾で一番人気の先生の一人。通年も講習も全講座締切。ところが、僕がこれを知ったのは河合塾に入塾してから。春期講習のときにはまったく知らず、ただ時間があったからという偶然で受講したのです。

授業はもうカルチャーショックとか、目から鱗とかいうレベルを超えていました。形容詞が名詞を修飾する言葉だとか、分詞は動詞を形容詞に変えるとか、聞いたこともなかった(ほとんどの授業は寝ていたし)僕です。聞くものすべてが新しい情報、新しい観点。なんだ、英語って意外と面白そうだし、勉強すれば伸びそう、とその講習を受けて本当に実感したのです。

これは河合塾に入塾するしかない、と思いました。それで、早速、高校グリーンコースの認定試験を申し込んで受験したんですね。芦川先生は当時、池袋校の早慶大英語しかグリーンコースは担当されていなくて、さすがにここは無理だろうと思いましたが、それでもいいかなと思って、受験したんですよ。さて、それで認定されたクラスなんですけどね・・・



実は、「基礎英語」しか認定が出なかったのです。河合塾の塾生はわかりますね。「基礎英語」はグリーンコースの中で認定不要の最も基礎的な講座。つまり、認定が必要な講座は全落ちだったのです。

何の脚色もありません。もちろん今と認定基準は違いますが、実話です。本当に、僕は高3の4月、高校グリーンコースの「基礎英語」にしか認定が出なかった(ですから、東大英語とか早慶大英語とかに認定が出ている皆さんのことを心からリスペクトしています…)。

ここで初めて実力を思い知ったわけですよ。その前の模試で気づけよって話なんだけども、これでは何年かかっても早慶なんて絶対無理なんじゃないかとようやくに感づいたわけです。レベル的には基礎でも、最終的には早慶に届かせるには、基礎英語のクラスで基礎レベルだけやっているわけにはいかない、と僕は思いました。それで、別の道を取ることにしました。当時の河合塾には「公開単科ゼミ」という仕組みがありました。現役・浪人関係なく誰でも受講でき、ごく限られた人気の先生だけがオリジナルの講座を開講するというものです(今でも代ゼミには同じ仕組みがありますね)。春期講習でお世話になった芦川先生は、当時千駄ヶ谷校で「急がば回れ基礎貫徹ゼミ」、通称「キソカン」という公開単科ゼミを開講されていました。それで、僕はこの講座を4月から受講することにしたのです(高校グリーンコースは小論文だけ取りました。SFC志望だったので!)。

確か、金曜日だったかな。千駄ヶ谷校東校舎の一番大きい教室。200人近くいたのかな。17時から19時ってパンフレットには書いてあるんですよ。不思議ですよね、他の講座は全部90分なのに、キソカンだけ120分。理由は受講してわかりました。19時に終わらないんですよ。早くても20時近くまで、遅いと21時過ぎまで授業するんです! でも、それだけみっちりやるんです。最初は基礎の基礎から。本当に基礎英語と変わらないレベル。でも、だんだんレベルが上がっていって、2学期になるとTIME誌の記事なんかも読んでみましょう、ってなる。

とにかく先生に言われた通りに勉強しました。いつも思うんだけど、予備校で成績が上がる人ってのは、まず言われたことを素直にやってみる人だと思うんですよね。僕はその典型で、高2まで全く勉強してないから勉強法自体何も知らない純粋な受験生だったので、言われたことを全てそのまま、何も疑わずにやるわけです。おかげ様で、成績は上がりました。1学期の全統模試で、英語の偏差値が60くらいのところまでは来たと思います。学校の授業もちゃんと利用しなさいと言われたので、英語の授業は真面目に予習して、授業聞いて、不明点は質問をしましたよ。高3のときの英語の先生が、たまたま高1で赤点をつけた先生と同じ人だったんですけど、びっくりして「新野くんはどうしたの?」って担任に相談するほど変わりましたから。

さて、そんな調子で着々と英語の成績を上げていった僕ですが、高3の7月に一つ問題が持ちあがりました。それが、数学再び赤点問題です。

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