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最終講で伝えたこと「受験からの成仏」

他の先生とも、ときどき話をすることがあります。

「大学受験や学歴は、人生の中で何パーセントを占めるんだろう」と。

浪人生の君たちにとっては、大学受験や学歴はとても重要なものだと写るでしょう。でも、10年たったら、あるいは20年たったらどうだろう。40歳にもなって「東大卒ですけど、何か」と自慢してくる人がいたら、それはちょっとヘンだと思いませんか。僕だったらこう思います。「他に自慢することないのかな、この人」と。

もちろん、学歴がずっとついてまわる職業もあるでしょう。予備校講師なんかはそうですね。僕もこの職業柄、「東大卒ですけど、何か」と言ってしまいますし(笑)、それに、就職活動で学歴フィルターがある職種も一部にあることも事実です。

でも、そうでもない大半の人にとっては、大学受験だの学歴だのというのは、年々「大したことないもの」になっていくと思うんですよ。意中の大学でなかったとしても、そこでいい友人や先生と出会い、素晴らしい学びがあればそれに満足するでしょうし、仕事に就いてそれなりの収入を得たり出世したりすることで幸せを感じる人もいるでしょうし、結婚して子どもができて幸せな家庭を築くことで幸せを感じる人もいるでしょう。そういう新しい幸せの積み重ねによって、だんだんと大学受験や学歴は「大したことないもの」になっていくんじゃないかと思うんですよね。

今みなさんが必死になっていることに対して、「時間がたてば大したことないものになる」と言われたらちょっとムカつくかもしれませんけども、でも人生というのは、そういう「大したことないもの」に一生懸命になるものなんですよ。例えば、高校時代に皆さんは部活を頑張っていたかもしれないし、文化祭やら何かのイベントで大賞をとろうと必死になっていたかもしれないけど、今考えれば「大したことないもの」でしょう?それに比べれば、受験や学歴は重要なものかもしれないけど、それでもやはり、人生を決めるものでもないし、まして生き死にに関わることでもない。

だから、受験では「やりきった」という達成感を得て、どんな結果であれ次のステップに自信を持って進めるようになることが大切なんです。言葉が適切かはわかりませんが、君たちには「受験から成仏」してほしいんですね。

YoutubeやTwitterを見ていると、受験から成仏できないで「地縛霊」のようになっている人をたくさん見るわけです。大学に入った後もまだ受験のことを語ったり、卒業してからも○○大卒でマウントをとったり。あるいは逆に、受験での失敗を引きずって、その先の人生の失敗を全て学歴のせいにしてしまったり。予備校講師のような仕事の人ならまだわかりますけども、こういう人たちを見ていると、早く受験から成仏して、人生の次のステップを歩んだ方がいいんじゃないかと思うんです。

受験というのは紙一重の勝負ですし、全員が第一志望に合格できるわけではありません。だからこそ、君たちには受験勉強については「やりきった」という思いをちゃんと持って進学してほしいんです。「やりきった」と思えるかどうかは、残された2か月と少しで決まります。ぜひ悔いのないように「成仏」して、次のステップへと堂々と進んでいってください。

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