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Cocco『四月馬鹿』より着想

夢を見たわ あなた
異国の旅路 岸辺を歩いて
ふとすれば小舟が一隻
何処へと誘う凪いた水面
遠い対岸に遥か あなたの予感
嗚呼 行き先なんて決まっているの
小雨に降られ小休止
雨よ お先にさあどうぞ

辿り着いた対岸で
きっと待っていたあなた
ほら 春の匂い
歩きましょう そっと手を繋いで
嗚呼でもねえ ひとつ
さよならの前に叶えてほしい

あなたきっと あの空を駆けてゆく
雲の向こう
鳥となって虹とお目見え
甘い過去にひゅるり潮風
深く染みて錆びていく
飛べないわたし

鼻緒を直していざ行かん
さてとどこまで行けるのやら
ずいぶん歩いたけどやっぱり
あなたの思い出が散らばる
細かいガラスの破片
いつの間にか裸足に刺さり
身体の中を駆け上がってちくり
それでも 歩を進めなきゃ

『その時は一緒に行こうか』
ほろり漏らした
けど今は夜
甘えてこくり
空気に為されるまま口吸い
ふと後ろ 2人で歩いた道が見える
この道を覚えていてね
遥かな痕跡

なのに嗚呼 靄が広がる
ぼやける足跡
鳥が虹を目指して羽ばたく
潮風に声が出せない
錆びついて砕ける

桃色が水に溶ける頃
月の下でリスタート宣言
あなたの席は空けておくわ
留めておいた言葉たちを解放して
馬鹿な季節とおつきあい

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