見出し画像

「NHK クローズアップ現代」それでも子どもをもちたい、 広がるSNS精子提供〜人権意識の低い日本社会は蚊帳の外。世界は既にデザインベイビーの時代へ


病院で精子提供を受けるためには以下の条件を満たしていなければならない。

・法的に婚姻している夫婦
・夫が無精子症であると診断されている場合

番組に出てきた同性の夫婦の場合、正規ルートによる精子提供を受けることが
できない。
彼女たちは「世の中的に排除されている存在というのは、
今まで生きてきた中でずっと感じてきた。
ここでも諦めなきゃいけない」と語る。

・・・だが、現実は、それだけではない!

・病院は費用が高いし、検査が多く、頻繁に通院しなくてはならない
・さらに入院という事態もある
ので、病院で不妊治療が現実的に受けられない夫婦が多い
つまり、やはり、家庭の大黒柱となってる男性が
頻繁に会社を休むことが現実的に困難なのだ
さらに公的な補助制度が整っていない


家族が崩壊する

選択的夫婦別姓や同性婚が認められない現状。
政治家の一部は「家族が崩壊する」という持論をもとに
慎重姿勢を貫くが、
現に、マイノリティの立場である彼女たちは、
家族が崩壊する危険に晒されている。

仕方なく、彼女たちはSNS上での精子提供に頼るが、
男性側のセクシャルハラスメントな言動に悩まされる。
また正規ルートでない場合、
ウィルス感染症や遺伝的な病気のリスクも生じてしまう。

無事、彼女たちは子どもを授かることができた。
しかし、もしも精子提供を受ける過程で、
深刻なトラブルに陥ったとしたら……。
それを「自己責任」だと切り捨てるほどの無情を、
僕は到底、容認できない。

*

番組では、精子提供により生まれた子どもが、
出自を知らされていないことに苦悩する姿も取り上げられている。
両親が教えてくれなかったらしい。

「自分の人生が、親のついたうその上に成り立ってきた。
自分が何者なのか、分からなかくなってしまった」
「自分が母親と精子という物から生まれていたという感覚があって、
そこに非常に違和感を持っている」。
これらの言葉も、とても重い。

様々な家族間、夫婦間のトラブルを、当人同士のことだと捉える風潮。

「不当に介入すべきではなく、
当人同士で解決すれば良い」という見解だ。
もちろんこういった問題はケースバイケースだし、
実際に当人同士で解決すべき事案もあるだろう。

しかし、どんな家族や夫婦も、社会との接続から逃れることはできない。

世間から後ろ指をさされたり、
腫れ物に触るような空気があったとしたら。
あるいは直接な誹謗中傷などの加害行為に晒されることがあったら。

例えば番組では、未婚のシングルマザー
(選択的シングルマザー)を選ぼうとした女性が取り上げられていた。
彼女は幼いときから父親から暴力を受けていて
男性に対する恐怖心を拭えずにいる。
だけどどうしても子どもが欲しい。
自分の子どもと共に過ごすような人生を歩みたいと願っている。

「子どもが大きくなったらどうするのか」
「父親がいなくて可哀想ではないか」という声が、
すぐに飛んできそうだ。

だけどそれを、親のエゴとして、
彼女と無関係な立場から批判するのはフェアではない。

そして仮に、彼女から生まれた子どもが、
成長していく中で不利益を被ったとしたら、
それは選択的シングルマザーを選んだ彼女の責任なのだろうか。

その不利益の種類にもよるが、
例えば、受けられるべき公的サービスが受けられないとしたら、
それは行政の責任だろう。
そして行政に対して「あなたたちに仕事を任せます」と
委ねている僕の責任でもある。

ゲストの川上未映子さんの言葉


そうです。それをやはり外側にいる人たち、
例えばVTRに登場された方たちに対して、
エゴだという批判は成り立たないです。

私はそう思いますね。
もしそういうふうに思ってしまう場合は、
自分の子を持ちたいといういわゆる普通とされる人たち、
それがエゴだと気付かないでいられるのは、
マジョリティーという立場に守られているから
気付かないでいられるだけで、
エゴだという批判は成り立たない
と思います。

それで苦しまれる必要は私はないと思います。
(2021年9月14日放送「NHK クローズアップ現代+」より引用、)
今、親の立場では後ろめたさとか言えない事情があると。
子どももそれに影響を受けていると。
だから、全体で変えていく。

いろんな出産がある、いろんな誕生の仕方がある。
それはやはり、私たちがこういう話とかのリアクション1つ、
反応1つで変わっていったり作られていくものですから、
その意味で無関係な人はいないと思います。
(2021年9月14日放送「NHK クローズアップ現代+」より引用、)

人権意識の低い日本社会


僕はたまたま、両親のことを知っている。
両親によって直接育てられてきた人間だ。
幸運なことに妻と巡り会い、妻が二人の子どもを出産してくれた。

今までほとんど意識してこなかったが、
これはマジョリティ側の立場なのだ。

出自も含めて、色々なバックグラウンドで子どもが生まれ、
育っていく現状について。
中には期せずしてマイノリティだということもあるだろう。

ただ、マジョリティであれマイノリティであれ、
そこに優劣はない。
当然のことながら、
等しく公的サービスを受けられる状態にあらなければならない。
日本国憲法には人権規定があり、様々な権利が保障されているのだ。

「今までほとんど意識してこなかった」と書いた。
マジョリティという立場に守られてきたからだ。
マイノリティの方々にとって「生きやすい」世の中にしていくことは、
日本国憲法できちんと保障されている。

保障されているとは言え、
制度や法律、暗黙下の中で脈々と決められているルールが、
それらを阻害しているとしたら、それらは変えなくてはならない。

日本社会の特徴は驚くほどの「人権意識の低さ」だ!

同調圧力が特に最近は高まっている
周りに同調することが生きる術というほど日本は
いまだに田舎社会が蔓延してるのだろう

ところが今日の不妊は、もはやマイノリティの問題ではなく
社会病として不妊症が蔓延してきた
ところが社会的な公的制度があまりにも貧弱で
しかも病院で不妊治療など受けられないほどの偏った制度が
覆いかぶさっているのが現実なのだ


生活が家族の絆

欧米社会では養子縁組が日本社会とは違い活発だ
つまり、生みの親と育ての親が違う人々が多いということだ
ところが社会的な制度も整っている

・育ての親は子供に自立心が芽生える頃
養子であり、自分達は育ての親であることを告げている
・成人すると、自分の生みの親が誰なのか?
を知る権利が生まれるが、多くは興味を持たないという
なぜなら育ててくれた親からの愛情を受け止めて
育ってるから余分な親など不要だという

社会制度の先進国デンマークでは
35歳で一人前の社会人に成長する女性が多く
まず精子バングでひとりで子供を産む
それからパートナー探しを始める
50代の独身男性が卵子バンクで子供を作ることも

つまり、血のつながりという家族意識が日本では
当たり前という以上に、それ以外には考えが及ばないが
欧米社会では生活の共有が家族であり
愛情を感じある人間のつながりが家族なのだ

ところが日本社会でも明治以前という江戸時代までは
養子縁組など日常茶飯事であった
実の親子の血の絆よりも生活を共有する愛情の
共有こそが家族だったのだ

デザインベイピーという子作りの潮流

中国の金持ちたちは海外の精子バングを利用して
写真で見る容姿や学歴、職歴で見る知的水準などから
好みの精子を選び妊娠する
自分の好みで選んだ子供を夫婦で育てる
・男女関わらず容姿の優れる方が社会的に強い
・男女関わらず知的水準の高い方が社会的に強い

これらの兆候をデザインベイビーと呼ばれている


自己責任を怖がりすぎる日本社会

日本社会で同調意識が強いのはリスクを怖がりすぎるから
アメリカンドリームはいまだ健在だけど
同調意識の強いドリーマーは世界中に存在しない

自分にしか見れない夢を見ることこそが
人生最大のリスクだけど、その達成感とか爽快感は
同調意識に塗れる人々には想像すらできない

しっかり勉強していい大学に入学しようとする人が
勉強に費やした時間や費用の補償を求めるだろうか?
スポーツに人生を賭ける人も後を絶たないけど
その時間や費用に保証をする求めるだろうか?
人とは違う自分の夢に人生を賭ける権利こそ
誰にでもあるのだ
ただ、その権利を放棄する人々が日本には多いという
だけのこと

背景や条件は人ぞれぞれで千差万別で当たり前
自分が選んだ精子で自分の子供を作るのは
大きな人生への挑戦だと思う
もちろん自分が選んだ卵子で自分の子供を作るのも然り

その黎明期だから制度も環境も整ってないのは当然
だからこそ大きなる冒険でもあり挑戦なのだ


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?