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海を支配するには『チョーク・ポイント』と『シーレーン』をおさえろ
ランドパワーとシーパワーのお話覚えてますか?
大陸国家は、陸続きの隣国と海から渡ってくる海洋国の双方を常に警戒しないといけないので、陸と海にコストを分散するのは非効率。
地理の特性上、海にまでは中々手が回らず陸上輸送能力や陸軍に注力するランドパワーに属しやすい。
島国などの海洋国家は、海を介してからでないと相手から攻め込まれないため、海上輸送能力や海軍力に集中したシーパワーに属しやすい。
さて、今回はシーパワー国家にとって海がいかに大事かってお話。
下記の地図をご覧ください。
※下記の地図は今後も使い回しますが、日本の地政及び日本に影響する国際情勢を理解する上で最重要な俯瞰図とも言えますので、中東や東南アジア、中国の領土領海関連のニュースを見た際にパッと思い浮かべれるように是非何回も見直してみてください。
日本の地政学6(日本の石油)
(『地政学』記事より画像引用)
これは主に日本の石油ルートを表した地図です。
□で囲った場所はなんだと思いますか?
海峡です。
ここは海上交通の道(シーレーン)を航行する上で必ず通る関所となる場所です。
地形特徴としては見た目通り、陸に挟まれ、海路が極端に狭くなっています。
このルート上にある重要な関所を
『チョーク・ポイント』と呼びます。
海って広いから決まった道なんてないイメージですよね。
ドラクエとかゲーム感覚だと海峡を通らざるを得ない場所もあったけど、基本的には気ままに好きにジグザグと航行してましたから😅
でも現実はもっと縛りがあります。
海流や気候の影響、航行距離に比例してかかる航行日数、何よりルートによって輸送コストが天と地ほども変わってしまうのです。
■そうは言っても石油ルート変わった程度じゃガソリンの値段上がるくらいのイメージ?
最短ルートの青い線は『マラッカ・シンガポール海峡ルート』で、これが現在のメインの日本の石油ルートとなります。東西を結ぶ要衝でもあります。
沿岸国はインドネシア・マレーシア・シンガポール。
日本はこの要衝となる海峡の安全航行のために半世紀前から沿岸国と協力しながら尽力しています。
次いでちょっと遠回りの青い線が、『ロンボク・マカッサル海峡ルート』となります。
これはマラッカ海峡が何らかの理由で封鎖された場合の副次ルートとお考えください。
地図上だとちょっとした遠回りにしか見えませんが、万一このルートしか使えない場合の日本の経済状況は
なんとか持ちこたえられる程度の打撃で済むそうです(^-^)
さてあまり利用したくなさそうな赤い線は、オーストラリア大陸を迂回する『バス海峡・南太平洋ルート』で緊急ルートとなります。
もしこのルートしか通れなくなった場合は
日本経済が破綻する程度の打撃で済むそうです( ^∀^)
裏を返せば、こういった要衝を抑えるだけの海軍力と拠点さえあれば、貿易に頼る国すらをもコントロールしていると言えます。
実にコスパが良いですよね。シーパワー国家が強い理由の一つです。
世界一の海軍力を持ち、世界に軍事拠点を持って海洋の要衝に睨みを利かせているアメリカが世界の警察と自認してる理由です。
国防においてもランドパワー国家の近くで補給しながら持久戦上等で直接本国を叩きにいけるシーパワー国家に対し、ランドパワー国家は圧倒的な海軍力を薙ぎ倒して制海権を取ってからでないと自慢の陸軍も敵のシーパワー国家へ上陸ができません。
海の勢力を無視できる長距離弾道ミサイルやそれに乗せる一発破壊力の核をアメリカが嫌がるのはそういうことです。
ここまででも国際ニュースの読み方が俯瞰できませんか?
お隣さんがよくニュースで、東シナ海でガス田開発、南シナ海で埋め立ての人工島だ軍事施設の建設だとか耳にしましたよね。
日本のニュースはさらっとミクロな“点”でしか伝えないので、私達は単に『資源を独占したいのか』みたいな印象しか残りませんが、地政学的にはシーレーンやチョークポイントを抑えに来てると認識すべきなのです。
仮に政治的理由であんたの船は渡らせません!通りたいなら高額なお金払ってください!と横暴に振る舞われたら日本はひとたまりもありませんね。
シーレーン上に位置する問題は日本の命に関わるニュースとして見るべきなのです。
尖閣や台湾問題も一緒です。
ガソリンの値段が上がる程度にしかイメージなかった😘という私と同レベルの人は次回の石油回で一緒に恐怖していただくとして、改めていかがでしょうか?
飛行機は?飛行機あるやん!ピューン!
私もちょっとばかしよぎったんですが、ご想像通り一隻(一機)あたりの輸送量からして話にもなりませんでした_:(´ཀ`」 ∠):
空路だと100t
海路だと200,000t
その差!軽く3桁!
飛行機は人と小さい荷物だけにしましょう笑
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