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石油は戦略性が含まれた政治商品

今回は、海上輸送経路を断たれた場合、どういう状況になるのかってことをイメージしていきたいと思います。

石油が輸入出来なくなったら私達の生活はどうなる?と問われた時、私達はどれだけ落とし込んでイメージできますか?

車🚗、バス🚌、タクシー🚕などが使えない、これらは簡単に思いつきますね。
地方の人は移動手段を大幅に制限されて日常生活に支障が出るというイメージでしょうか。
そう言えばプラスチックも石油だっけ?など、容器などの包装コストが上がりそうだなとかもイメージできるでしょうか。

頭の中でイメージしていくと移動手段、発熱手段、安価な生活用品などが制限されていって不便になるというイメージが浮かびます。

それでも全然イメージが足りないのです。

食料はどうでしょうか?

日本の食料自給率はカロリーベースで37%ですが、仮に輸入できない状態に陥っても数値だけ見てると一日一食なら何とかなりそうと単純に感じてしまいます。

が、農業用重機も漁船も石油燃料によって動くということ忘れてませんか_:(´ཀ`」 ∠):
食料を流通させるにも輸送燃料に石油が必要だってことをイメージできてますか。


農薬も飼料も石油科学製品が含まれています。
スーパーに並ぶ食料の殆どは保存性を重視し、石油化学製品である添加物を利用しています。
容器を含め、石油化学製品なしでは食料の大半が中長期的に保存できません。

石油一つ輸入できないだけで、食料の生産量は下がり、物流は止まり、保存もままならないので、売買すらまともに成り立たなさそうです。
そもそも需要と供給のバランスが崩れるので店頭に並んでもとんでもない物価になってそうです。

移動手段の制限だけをイメージしてると田舎の人が一番困りそうですが、石油が止まって真っ先に飢え死ぬのはむしろ都市部からっぽいですね😅

■設備機材や施工の段階で利用する材料も石油化学製品に囲まれている

水道管は’’金属類’’ってイメージありますが、ポリエチレン、塩化ビニールという立派な石油化学製品が現代においては主流です。
ゴムは生活用品の用途だけじゃなくて、あらゆる設備機材の材料において欠かせいですよね。
アスファルトがなければ陸路も整備できません。
建築においても建築素材の木材、鉄鋼、コンクリートをついイメージしてしまいますが、施工の段階で重機を利用するし、発泡材、テープ、ゴム、シート、塗装剤など石油科学製品だらけです。

家庭の生活においても、電化製品、洗剤類、化粧品類、スポーツ用具、衣類、工具、文具、医療品類、など石油科学製品だらけです。
これらがなければ、物価面、衛生面、利便性、保存性、娯楽性、全てにおいて大きく損なわれます。


目の前の完成された物だけを見れば、製鉄材や天然素材に代替えするわ、とエコ思考に切り替えればなどと感じるかも知れません。


しかし、あらゆる産業の生産〜流通までの過程において、石油燃料、石油科学製品に依存していることを忘れてはいけません。


その上で

エネルギー資源の9割が海外依存という現実

石油輸入先の9割を情勢が不安定な中東に頼っているという現実

エネルギー資源大国であるロシアとは政治的に対立せざるを得ないという現実

日本の貿易航路の安全は100%アメリカに依存しているという現実

中国の太平洋進出からその安全保障のバランスが崩れてきているという現実


海の安全に関わるニュースは、コロナや地震と同じくらいの生命の危機に関わる問題として関心を持ちたい、いや持たなければいけないと思いませんか?




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