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身の回りのやさしいUXライティング

こんにちは、デザイン戦略部のisoです。

今回は身の回りのWeb・アプリのサービスから、やさしさが感じられるUXライティングに注目し、サービスにもたらす効果をまとめてみました。

UXライティングとは、ユーザーがサービスを操作する際に、より良い体験ができるように、言葉でサポートする技術です。
見出しや本文だけでなく、ボタンやフォーム、エラーメッセージなど、ユーザーが目にするテキスト全体が対象です。
前回の記事では、UXライティングを使ったサービスの改善例について解説しています。


🕊やさしいエラーの伝え方

Slack

Slackは、ユーザーに寄り添い、関係を構築することを意識したUXライティングに取り組んでいることで知られています。
その姿勢はエラーメッセージにも表れています。

プロフィール写真用に、規定外のサイズの画像をアップロードすると、以下のメッセージが表示されます。

本来ならネガティブな状況であるエラー時でも、まず「素敵な写真!」とユーザーにポジティブに語りかけ、次に取るべき行動を具体的に提示しています。
「別の画像を試してみる」という柔らかい表現の再アップロードボタンも、やさしい印象を与えています。

また、表示名に使用できない絵文字を入力した場合にも、やさしいエラーメッセージが表示されます。

「絵文字を名前に入れたい気持ちはわかりますが、すみません!」 という、ユーザーの気持ちに寄り添うメッセージが、エラー文の冒頭に表示されます。
些細な部分からも、ユーザーを思う気持ちが伝わるUXライティングとなっています。


🕊円滑なコミュニケーションの手助け

Discord

Discordはおもに、ゲームでのコミュニケーションを円滑にするために作られたチャットサービスです。
サーバーという、他のユーザーとコミュニケーションを取るためのコミュニティがあり、新たなメンバーが参加するとシステムメッセージとボタンが自動的に表示されます。

「○○にご挨拶しな!」「あ!野生の○○が飛び出してきた!」など、Discordらしいユニークな表現で新規メンバーの参加を知らせます。

システムメッセージの下には「手を振って挨拶しましょう!」というボタンが表示され、押すだけで簡単にスタンプが送信できます。
このようなポップなメッセージでコミュニティを盛り上げることで、初対面同士でも気軽にやり取りできるように配慮されています。


🕊楽しく安全なコミュニティ

TikTok

TikTokでは動画へのコメントによる交流で、ユーザー同士の繋がりを作ることができます。
コメント入力欄のプレースホルダーには、以下の文言がユーザーに提示されています。

匿名で何でも発言できるSNSサービスでは、誹謗中傷などの問題が起こることもあります。
ポジティブな投稿をさりげなく促すことで、コミュニティの安全性を高める効果があると考えられます。

note

noteのコメント入力欄のプレースホルダーにも、ポジティブな言葉がランダムで表示されるようになっています。

さらに、「送信」を押すとダイアログが表示され、コメント投稿前に攻撃的な内容を入力していないか確認されます。

投稿前に少し冷静になって、内容に問題ないかを見直すように促しています。
サービス内でのユーザー同士の交流を楽しく安全なものにするため、UXライティングが活用されています。


🕊ユーザーの負担を軽減

クックパッド

料理レシピの投稿・検索サービスであるクックパッドでは、トップページに以下の検索フォームが表示されています。

フォームのプレースホルダーには「料理名・食材名」と表記され、検索例が提示されています。
さらに、フォームの下には「人気の検索キーワード」がランキング上位から表示されます。 これらのキーワードを選択することで、そのままレシピの検索が可能となっています。

SUUMO

不動産情報サイトのSUUMOでは、物件情報の詳細画面にて以下の内容が表示されます。

  • 最新の空室状況を知りたい

  • 実際に見学したい

  • 詳しく教えて欲しい

  • 初期費用について知りたい

ユーザーが具体的なお問い合わせ内容を考える前に、選択項目が提示されています。
また、「1分で完了」「無料」というワードにより、簡単に問い合わせできることが強調されています。

人間は何もない状態から、考えたり思い出したりするよりも、与えられた選択肢の中からアイディアを探し出すほうが、脳に負担がかからないと言われています。
そして、わかりやすいものに信頼や安心感を覚えます。
UXライティングによって、ユーザーの思考の負担を軽減することで、サービスを使いやすく、快適に感じられるようにすることができます。


🕊サービスのコンセプトを体現

LOHACO

LOHACOは水・お米・ベビー用品など、重くかさばる日用品を中心に提供する通販サービスです。
コンセプトはユーザーの暮らしを軽くすること。
購入完了後のページには、このコンセプトを体現するメッセージが表示されます。

「あなたのくらしがかるくなりますように」という文言は、重たい荷物を運んでもらい、負担を軽減できたというユーザーの実感をより大きく印象づけています。

このようなユーザーに寄り添う言葉を送ることで、サービスに対して親しみやすさを意識させる効果が期待できます。


🕊気持ちに寄り添うアドバイス

あすけん

あすけんは、毎日の食事や運動量を入力し、健康的なダイエットをサポートしてくれるサービスです。朝・昼・晩の食事を入力すると、AI栄養士さんが食生活についてアドバイスをしてくれます。
カロリーが高かったり、バランスの悪い食事内容を報告すると、少し厳しめのアドバイスが返ってくるのですが、誕生日には優しい言葉を添えてくれます。

誕生日などのイベント時には、多くの人が通常よりも豪勢な食事となることが想定されます。
そんな特別な日にはいつも通りのアドバイスをするのではなく、優しい言葉を添えてくれるAI栄養士さんに親しみが湧き、サービスの継続利用に繋がっていくと感じました。


🕊登録時の不安を払拭

Voicy

音声配信メディアのVoicyでは、アプリの新規登録時に以下のダイアログが表示されます。

新規登録時には、様々な事項に同意や許可を求める場面が発生します。
同意ダイアログの冒頭に「あなたの権利やVoicyという場を守るため」という一文を記載することで、何のために同意が必要なのかが直接的に伝わり、余計な不信感が生まれません。

Catchy

AIライティングアシスタントツールのCatchyでは、ツールの使用前に会員登録が必要になります。
会員登録画面では、登録時の不安を払拭させるような文章が記載されています。

登録画面の冒頭に「無料版のご利用にクレジットカードは不要です。勝手に有料プランに移行することもありませんので、ご安心下さい。」と記載されています。
ユーザーが会員登録に対して、不安や不信感を抱かずに済むよう配慮されています。


まとめ

今回は、ユーザーにやさしいUXライティングの取り組みを行っている様々なサービスについて紹介しました。
これらのサービスは、ユーザーに寄り添い、不安や疑問を払拭するために、丁寧に文言を考慮したUXライティングを実践しています。
UXライティングは、ユーザーにとってより良い体験を提供するために、欠かせないものであることを再認識しました。

Newbeesでは、「やさしさを、広げる」という企業理念を掲げています。
今後もサービスを通じて、やさしい世界を広げるために、UXライティングを学び、より良いサービスを提供していきたいと考えています。

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