栗原哲也@ライフサイエンス系ベンチャーキャピタリスト

このnoteでの連載が書籍になりました!『創薬の課題と未来を考える バイオベンチャーが…

栗原哲也@ライフサイエンス系ベンチャーキャピタリスト

このnoteでの連載が書籍になりました!『創薬の課題と未来を考える バイオベンチャーがこれから成長するために必要な8つの話』が6/13から発売中!ベンチャーキャピタルでバイオベンチャーへの投資と、成長に寄り添った経営サポートを行っています。日課は登山と温泉巡り

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日本から「モデルナ」を生むための、バイオベンチャー入門 #はじめに

みなさま、はじめまして。 みなさんは、ベンチャーと聞いて何を思い浮かべますか。 多くの方が思い浮かべるのは、最近だとメルカリ、ひと昔前だとサイバーエージェント、DeNAといったIT系ベンチャーでしょうか。ですが、私が関わっているのはバイオベンチャーです。 ベンチャーの中でも、バイオベンチャーについて知る人は、どれくらいいるのでしょうか。そもそもバイオベンチャーが何なのか? 分からない人も多いでしょうから、そこから説明していきます。 モデルナはたった10年前にできたベン

    • ベンチャーキャピタリストのキャリアパスと報酬制度

      今回は、ベンチャーキャピタリストのキャリアパスについて、お話しします。 キャピタリストの大半が中途採用。以前のキャリアは? 現在のところ、新卒採用を行っているベンチャーキャピタルは大手など数社に留まります。業界自体がこの10年で拡大したこともあり、まだまだ多くのベンチャーキャピタルが少数精鋭でファンドの運営を行っているため、新人を採用して育成するよりも即戦力の採用が主体になっています。 このように、キャピタリストの大半が中途採用を通じてベンチャーキャピタルに入社している

      • ベンチャーの育成に乗り遅れた日本。ユニコーン企業数は6社だけ

        設立10年以内の未上場企業でありながら、その評価額が10億ドル(1,400億@140円/ドル)を超えるベンチャーのことを、めったにお目にかかれないという意味で、伝説の生き物である一角獣になぞらえて「ユニコーン」と呼びます。 これは、米国のベンチャーキャピタルであるカウボーイ・ベンチャーズ社のアイリーン・リー氏が使い始めたことをきっかけに知られるようになり、今ではベンチャーの世界では広く認知されています。 かつては、米国ではメタやツイッター、そしてモデルナ、日本ではメルカリ

        • カンパニークリエーションが可能なベンチャーキャピタルの条件

          米国最大の公的年金基金であるCalPERS(The California Public Employees’ Retirement System: カリフォルニア州職員退職年金基金)は、積極的な資産運用を行う機関投資家の代表格で、その運用資産は4,000億ドル(52兆円)以上にのぼり(ちなみに日本の2022年度の国家予算は107兆円なので約半分にあたります)、彼らの投資戦略には世界から大きな注目が集まります。 CalPERSがベンチャーキャピタルへの投資を継続する背景 C

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        日本から「モデルナ」を生むための、バイオベンチャー入門 #はじめに

          バイオベンチャーの成功確率を上げる「カンパニークリエーション」という手法

          米国において、バイオベンチャーに投資経験のあるベンチャーキャピタルは200社以上あるといわれています。その中には、バイオベンチャーのみに投資を行うベンチャーキャピタルもあれば、様々な分野に投資を行うベンチャーキャピタルもあります。 さらに、非常に若い創設期のバイオベンチャーに投資を行うベンチャーキャピタルもあれば、成長して上場を見据えるようになったレイターステージのバイオベンチャーに投資を行うベンチャーキャピタルもあります。 ベンチャーキャピタルの投資スタイルは様々 ベ

          バイオベンチャーの成功確率を上げる「カンパニークリエーション」という手法

          技術を活かすためどちらを選ぶか? バイオベンチャー2つのビジネスモデル

          バイオベンチャーの最終目的は創薬を行い、医薬品を一刻も早く患者さんのもとに届けることです。一方、そこに至るまでの各社のビジネスモデルは様々です。 たとえ同じ技術がベースであったとしても、ビジネスモデルの選択により、創薬を行うために必要となる知識や経験、収益化するタイミング、必要となる資金調達の額、上場のための条件などが変わってきます。 プラットフォーム型とパイプライン型に大別 伊藤レポート(経済産業省により設立された「バイオベンチャーと投資家の対話促進研究会」における報

          技術を活かすためどちらを選ぶか? バイオベンチャー2つのビジネスモデル