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【採用担当者向け】すぐに出来る!採用を見直し、改善する方法

いきなりですが、この記事のまとめ

・現状の採用ステップの数字を把握しよう
・入社率を高めよう(採用倍率が低いほど採用上手)
・まずは率を上げよう

はじめに

新卒採用はここ数年売り手市場が続いています。

来春2020年3月卒業予定の大学生・大学院生対象の大卒求人倍率は1.83倍と発表された通り、どの企業も新卒を採用しようと躍起になっています。

まだ20卒をやっている企業もあれば、すでに21卒にシフトし、インターンシップ開催真っ只中の企業もあるかと思います。

今回は特に21卒に向けて採用数を確保するために、なにをしようか・なにを利用しようか…と頭を悩ませている採用担当者に向けて記事を執筆します。


まずは現状を把握しよう

採用活動はやればやるほど課題が出てきます。例えば以下のような課題を抱えている、あるいは抱えたことはないでしょうか。

・会社説明会や合同企業説明会のブースに人が集まらない
・会社の人がなかなか採用に協力してくれない
・面接で見るポイントの基準が定まらない
・会社プレゼンが魅力的じゃない
・内定を出しても、承諾してくれない

なにから手を付ければ良いかわからない…なんて頭を悩ますことも。

そんなとき、まずは「現状把握」から始めてください。現状把握とは、エントリーから入社までの数字を全て洗い出すことです。

例えば、選考フローが以下だとします。

エントリー→会社説明会→エントリーシート→面接(3回)→内定→内定承諾→入社

この数字を全て洗い出すのです。

エントリー:1,000名
会社説明会参加者:300名
エントリーシート提出者:200名
1次面接参加:100名
2次面接参加:50名
3次面接参加:20名
内定:6名
内定承諾:3名
入社:3名

さらに詳しく数字を掘り下げます。

エントリー:1,000名
  移行率:30%
会社説明会参加者:300名
  移行率:70%
エントリーシート提出者:210名
  合格率:60%
  移行率:70%
1次面接参加:88名
  合格率:70%
  移行率:90%
2次面接参加:55名
  合格率:40%
  移行率:90%
3次面接参加:20名
  合格率:40%
内定:6名
  移行率:50%
内定承諾:3名
  移行率:100%
入社:3名

※移行率とは、次ステップに移行した率のことです。

このように、数字で採用の流れを見てみるとどの数字が高く、どの数字が低いのかが一目瞭然です。

入社率を上げよう

入社率という定義を使って話すと、各企業の採用マーケティング力が見えてきます。

入社率とは、入社者数/選考者数 です。例えば上記選考の場合、選考が始まるのはエントリーシートからなので分母は210、入社者が3名のため、3/210、つまり1.4%となります。1名採用するのに、約70名のエントリーシートを回収する必要があります。

最近よく言われるのは、10名会ってで10名採用が理想だ、ということです。

採用倍率100倍!狭き門!みたいなブランディングが一時期ありましたが、それは見方を変えると採用下手である、マーケティング下手であると言えます。特にTO C向けのビジネスをしていると、採用で出会った方も自社商品やサービスの利用(候補)ユーザーである場合があります。

本来ファンになってもらう必要があるのに、不合格という通知を送ることで良く思われない…なんてこともあるかもしれません。

採用したい人に情報を届け、入社したいと思わせることが出来ると、採用倍率を限りなく1倍に近づき、入社率が上がります。つまり採用マーケティングの上手い会社であるということです。

やることはたった2つ:数を増やすか、率を上げるか

3名から10名採用を目指すという前提で、上記の数字をどう改善するか考えてみましょう。

ここでやりがちなのは、数を増やすことです。が、この手段は出来るだけ最終手段と考えた方が良さそうです。なぜなら、コスト(工数/金額)がかかるからです。

もちろんSNS活用やプレスリリースなど無料でやれることもあるのですが、SNSを更新するという工数や、プレスリリース執筆の工数、プレス配信した際にメディアに取り上げてもらえるくらいの企画力など…やってみると意外と大変です。かつ、まだまだ率を上げられる状態であれば、数を増やすことで入社率を低くしすぎないようにしましょう。

以下の順で実施すると良いです。

移行率の向上
合格率の向上
エントリー数の増加

移行率とは、採用担当の行動によって変化させられる変数です。例えば、面接予約していない学生に面接予約を促したり、面接前日にリマインドメールを送るといったような行動です。メールも自動化すれば工数もかかりません。もっと分析できるようになると、面接合格通知を受け取った○日以内に次の面接予約をする学生は面接参加率が高まる、なんて数字(マジックナンバー)がわかったりします。

会社プレゼンを魅力的にすることも、移行率を向上する施策になります。会社説明会参加者の70%がエントリーシートを提出する状況から、80%、90%に向上する1つの施策になり得ます。

また、このような施策を考える上で、以下を考えて実施してみましょう。

・数字を把握する
・なぜこの数字なのか要因/原因を仮説立てする
  良い場合:横展開し、積極的に利用する
  悪い場合:どうすればこの数字を良くできるのか施策を考えてみる
・工数×効果の4軸でそれぞれの施策を当てはめてみる
  工数小×効果大の施策からトライする

例えば、会社説明会参加者がエントリーの30%という数値です。
なぜこの数値なのか、原因と施策を考えてみます。

・会社説明会の回数が少ないのでは
   回数を増やそう/1回における定員人数を増やそう  
・会社説明会の場所が悪いのでは
   東京だけでなく、地方でも開催しよう
会社説明会の開始時間が悪いのでは
   学生が参加しやすい夕方から夜にかけて開催しよう

そして、最も効果の出そうなことから始めていくと良いでしょう。

合格率について

合格率については、慎重に進める必要があります。なぜなら採用担当の行動のみでは変化させられないからです。面接官に対しても変化を促す必要があります。

一般的には、30%以下の場合なんらかのテコ入れが必要と言われています。方法としてはさまざまです。以下に例を記載します。

・面接基準の見直し/作成
・面接官評価とそのフィードバック
・面接官が合格にした人の次面接合格率算出

また、面接は移行率にも影響を及ぼします。面接対象者に良い印象を与えれば、この会社で働きたい!と思われ、次のステップに進んでくれることもあります。

まとめ:その施策はどこに効くのか?を意識しよう

多くの課題を抱えて、なにから対策すればいいかわからない…という時こそ、

・現状の数値を把握して
・どの数字から改善すれば良いのか
・その数字改善に効く施策はなにか

を丁寧に見極めて進めることをおすすめします。選考フローを変えたり、新たな取り組みをするのはそれからでも大丈夫!

おまけ

もし複数の職種を募集しているのであれば、職種ごとに数字を洗い出し、改善活動をしてください。全体で数字を見てしまうと、各職種ごとの課題がぼやけてしまい、効果的ではありません。

東証一部上場IT企業の元新卒採用担当。就活生と採用担当者両方に役立つ、知恵や小技を発信していきます。