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『ラップバトルと猫ミーム』

~某授業内アンケート感想~

◯『メタ』化する大衆の視点
歴史的な流れを見て、メディアと人間の関わり方の変遷も辿れて良かった。
「安全」のイメージに元気な子供が出たり、「豊かな未来」に理想的な家族像をねつ造するコマーシャルの手法は資本主義とは切り離せないのかなと思う。

ただ、松本人志が笑いの構造を変えてしまったように(視聴者→演者から笑いの「わかる」視聴者→「わからない」視聴者へと矛先を変えた)、
この行き詰まる現代では、多数が抑圧する暴力性のはけ口はより高度に、緻密になるのかもしれない。(コロナ禍でヒップホップが流行り、ラップバトルが人気を博したのもその系譜かなと思う。)

ラップバトル



 そういう古い「記号」を笑う日本人的な笑いは、ネット黎明期は「2ちゃんねる」や「ニコニコ動画」などで一部のマイノリティに見られたのが、現代は「ミーム」という現象で大衆においても観察できる気がする。(ニュースなどで珍回答などするといわゆる「ネットのおもちゃ」となりネット上で瞬く間に拡散される。)


◯youtubeのコメント欄と資本主義
さらに考察すると、授業アンケートによると、学生の質問に対する先生の回答が、授業の中で特に人気であるらしい。

ネット黎明期の動画配信

これは、現代の20代が「上昇志向」から「水平志向」へと移っていて、学生同士の「ホンネ」を知る機会であり、それに対し先生はひとつの「指針」を提示してくれるという、
意見交換会、またはホンネを言える場としてのカウンセリングの機能があるのではないか、という仮説を立てた。

先生の発言にも言霊が乗っていて、学生は大人の生き生きとした本音に感化されるのだと思う。
最近youtubeのコメント欄の機能が高度化したのにも、この辺りの心理が関係していそうである。

そしてこれは、地球資源が段々限界に来ていること、それに並行して資本主義が停滞しつつあるという事象を、若者は無意識にも肌で感じ、上昇より共生を望み、精神的にな豊かさを望むという風潮に繋がっているのではないか、と考えたがいかがでしょうか。

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