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ルーシーと魔女 #1

ヨーロッパの小さな町にルーシーという女の子が住んでいました。

町には学校が一つだけしかありませんでした。

ですので、町の子供たちはみな同じ学校に通い、みな顔見知りでした。


ある日、ルーシーが学校を終えて家に歩いて帰っていると

昨日まではなかったとても小さな小道がいつもの帰り道の脇に

できていることに気づきました。

好奇心旺盛なルーシーは、いつも周りをキョロキョロと何かを観察して

歩くような女の子でしたので、普通に歩いていたら普通は気づかなかった

であろう変化にも気づくことができました。


小道の両側は大きな針葉樹に囲まれていました。

ルーシーは足を踏み入れます。

針葉樹の小道を5分ほど歩くと、レンガ造りの家が目の前に現れました。

誰か住んでいるのかな?

ルーシーが家の方に近づこうとしたその時です。

家の方から小さな女の子の声が聞こえてました。

子供がいる!

ルーシーはとても嬉しい気持ちになりました。

ルーシーの家は町の外れにあったので、学校の帰り道はいつも一人ぼっちで

した。この家の子と仲良くなれれば、これからは一人ではなく、この新しい

友達とおしゃべりしながら帰れるかもしれないと思ったのです。

家に近づこうとした時、ルーシーは大事な用事を思い出しました。

大変!今日はお家でお婆ちゃんに届けるクッキーをママと一緒につくる約束

してたんだわ。遅くなったら怒られちゃう。

ルーシーは、この新しくできた家を覗きたい気持ちをおさえて

小道を戻り自分の家へと駆け足で帰りました。


その日の晩。

ルーシーは明日学校で新入生が紹介されるのを楽しみに寝ました。


次の日ルーシーはウキウキしながら学校に行きました。

どんな女の子なんだろう。仲良くなれるかな。そして一緒に帰れるかな。

しかし、この日新入生は学校に入ってきませんでした。

この日だけではありません。

次の日もそのまた次の日も新入生はやってきませんでした。

あの家から小さな女の子の声が聞こえたのは間違いありません。

この町に学校は他にありません。ならどうしてでしょうか。

あの声の主は学校に来ないのでしょうか。

私の勘違い?いやいや絶対に子供の声がしたわ。

ルーシーは不思議でなりませんでした。


気になったら調べないと気が済まない性格のルーシーは、

ある日の学校の帰り道、あの小道を抜け家の前にやってきました。

でも、今日はその家には人がいる気配がしません。

もう引っ越してしまったのかな。 

いやいやそんなはずはありません。

まだ越してきてから一週間も経っていないんですから。

ルーシーは家の裏に周ってみることにしました。

 すると、

やっぱり!

そこには 金色の長い髪、青い目、透き通るような白い肌、

そして紺色のワンピースを身にまとった女の子がいたのです。

                              つづく

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