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(4/100)『最後の秘境東京藝大~天才たちのカオスな日常』を読む

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この写真は、昨年の東京藝大学園祭の様子です。
牛頭馬頭」という地獄の番人を模した発泡スチロールのオブジェです。

Twitterでこの写真を見た時、「藝大すごいなぁ」と思い、気になっていたところに、今回の本と出くわしたわけです。文中にもこの学園祭のことが書かれていますが、この学生が着ている法被。このデザインも縫製も手作りなのだそうです。
図書館で順番を待つうちに年を越してしまいましたが、読み始めたら一気に二日間で読んでしまいました。

東京芸大ってどんなところ?

東京藝大、そういう大学があるとは知っていましたが、僕自身が図工2、美術2の成績だったトラウマもあって、あまり縁がありませんでした。

読んでみると、藝大とは

音楽学部と美術学部がある
入試倍率は東大の3倍
就職率は20%ぐらい
卒業後のほとんどが行方不明

すでになんとなくアヤシイ大学の雰囲気でしょう。
なにしろ卒業後就職すると「芸術を捨てた」と言われちゃうみたい。

真逆な学部

一過性の芸術としての音楽、形が残り続ける美術。音楽学部と美術学部は、性格が真逆。

人前で演奏することをいつも意識している音楽学部。楽器をやっていた親の影響で入学する学生も多く、ややお上品。合奏や練習室の使える時間などから時間厳守。自分の体は、楽器からいい音を出すための道具。

作品を作り上げるまでなりふり構わない美術学部。木を削るなら、ノミから手作りしちゃう。ないなら自分で作っちゃう自由さ。完成のためにはお風呂に入らずに熱中しちゃうのはあたりまえ。作品とは血管がつながっていると思っちゃう。

口笛を楽器にしたい

藝大に口笛世界チャンピオンがいます。青柳呂武さんです。

「口笛をオーケストラの楽器にしたい」

そう本気で考えています。口笛の練習を毎日3~4時間やり、いつも口笛のことを考えている。

藝大にはそんな規格外の学生さんがたくさんいるみたいです。

なぜ芸術?

著者は奥さんが藝大の美術学部の学生でした。奥さんがあまりにも変わっていることから、藝大のいろんな学生さんをインタビューするようになりました。

著者はときどき学生に質問します。

「なんで芸術を続けているの?」

ほとんどの学生は答えに困ります。学生たちはそんなことも考えたこともないのでしょう。彼らにとって「やりたいから」やっているだけ。息をするように、ご飯を食べるように、芸術が自分の一部に違いありません。

Shinichi/Miyazakiは個人の日常
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