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『反応工程』を考える[PR]

こんにちは!スタッフのえいもんです。

先日、初日を迎えました新国立劇場『反応工程』を観劇しました。
最初観劇する前は、戦争のお話し、反応?工程?みたいな正直よく分からず、おおまかに戦時中のお話しなのだろうと思って劇場に向かいました。

今と変わらない渦巻く人々の感情

私は今年26になりますが、周りの環境もあり、幼い頃から平和教育というものに触れてくる機会が多かったと思っています。ただ、どんなに学んでも自分自身が体験したことのないもので、戦時中に起きた出来事を遠く感じていました。

『反応工程』は太平洋戦争末期の1945年8月に軍需指定工場という、たった1つの場所で動員学徒が、工場の大人たちが、当たり前に生活をしていて、現代と全く変わらない様々な人間の感情が渦巻いています。観劇し終わった後、私にとって登場人物たちはとても身近で、今まで遠かった『戦争』という出来事が今までよりとても近く感じました。

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『反応工程』より。撮影:宮川舞子

懸命に生きる学生達の姿

特に戦争に巻き込まれていく動員学徒の姿はとても印象的です。学生という立場ですら、ぼんやりと不穏な状況が見えてきて、自分はどうすればいいのか。苦しい感情が生まれてくる中で、私よりも年下の学生達が生活する様子はとても他人事とは思えませんでした。学生という若く同じような世代だからこそ、環境は大きく違いますが、学生達に共感し、とても考えさせられました。

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『反応工程』より。撮影:宮川舞子

公演中止から1年を経て

そして、『反応工程』は2020年4月に公演中止になり、460日遅れで初日が開幕しました。公演中止はとてもとても大変だったと思います。しかし、中止からこの1年で宮本研さんの戯曲を演出の千葉哲也さんはじめ、出演者のみなさんが大切にし、初日を迎えられたことが、観劇して本当に伝わってきました。これもフルオーデション企画だからこそ実現できた作品のパワーなのではないかと思います。

今、この現代も様々な感情が大きく渦巻いています。それでも、人々が毎日生活をしている中でどういう明日を考えるか。『反応工程』が考えるきっかけを教えてくれた気がします。

※おちらしさんスタッフ・成島の観劇レポートもぜひお読みください。

『反応工程』
会場:新国立劇場 小劇場 
公演日程:2021年7月12日(月)~25日(日)
作 宮本 研 演出 千葉哲也
芸術監督:小川絵梨子 主催:新国立劇場
出演:天野はな 有福正志 神農直隆 河原翔太 久保田響介 清水 優 神保良介 高橋ひろし 田尻咲良 内藤栄一 奈良原大泰 平尾 仁 八頭司悠友 若杉宏二
一般発売中
料金(税込):A席6,600円 B席3,300円
公演詳細:https://www.nntt.jac.go.jp/play/reactionprocess/
チケットに関するお問い合わせ:
新国立劇場ボックスオフィス:03-5352-9999(10:00~18:00)
※本公演は新型コロナウイルス感染予防、拡散防止対策をとって上演いたします。詳細は下記URLをご参照ください。https://www.nntt.jac.go.jp/release/detail/23_017576.html
【ものがたり】
太平洋戦争の敗色濃い1945年8月、九州中部にある軍需指定工場。戦前は染料を製造するためだった工場も、今ではロケット砲の推進薬を作り出す"反応工程"の現場となっている。 田宮、林、影山らの動員学徒も配属され、日夜、古株の工員らと共に汗を流している。勝利を信じる田宮だったが、勤労課の職員である太宰に戦争の本質を説かれ、禁書となっている本を渡される。そんな中、影山に召集命令が下り......。

弊社(株式会社ネビュラエンタープライズ)は新国立劇場『反応工程』の宣伝を請け負っております。

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