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VR世界で、アートと出会う。|オンライン演劇 [Evaporation]を観る。

こんにちは!スタッフの望月です。

今、世界でとても注目されている「VRアート」
VR空間に絵を書いたり、VRで絵画を再現したりと、その表現は様々です。
どこにいても、アートの世界に入り込むことが出来るというところが、VRアートの魅力です。

私は今回、あるVRアート作品を体験してみました。
それがこちら。


[Evaporation] というオンライン演劇作品です。

この作品を生み出したのは、日本人パフォーマーの木皮 成さんと、韓国人舞台芸術家のキム・ヒジンさん。おふたりとも世界で活躍するトップアーティストです!
別々の文化で生まれ育ったアーティスト同士の共同制作というところも、とても興味深い…。

左側:木皮 成さん。  右側:キム・ヒジンさん


【クリエイターコメント】

別府と言えば街中でもくもくとたちのぼる湯気が印象的な温泉街です。
 私たちは2022年1月から2月の約4週間にかけて、鉄輪のひろみやに滞在させていただきました。
作品は人や街に訪れた人の声と街の景色と収集し、湯気による、湯気に関する、湯気のものがたりを製作しました。
都市部では、新型コロナの影響で公演中止などが相次いでいる状況ですが、一つの表現形態の可能性としてVRスキャニング用いた演劇作品を作れないかとご提案しました。
本作品を通して、この作品に触れる人がまるで”温泉に浸かって立ち登る湯気を眺めるように” 物語に没入していただければと思います。

木皮 成 / キム・ヒジン

HPより引用

"オンライン演劇"といっても、ただオンラインで演劇を観るというわけではありません。
「VRの世界で、演劇を見つける」作品になっているのです。

VR化した別府市にあるゲストハウス「ひろみや 」を、オンライン上で探索し、隠れた舞台作品を巡るというものになっています。

スキャニングされた「ひろみや」の全体画像。


ひろみやの至るところにアクセスポイントが存在し、そこをクリックすると舞台作品を観ることが出来ます。

VRの中で、初めて訪れたゲストハウスの中でアートを探索するのは、幼いころに経験した"宝探しの冒険"をしている感覚になります。
わたしは幼いころに戻ったように、好奇心の赴くまま、夢中になって、どんどん奥へ奥へと、足を進めていきました。
そして、「こんなところにも!」「ここにも!」と、アートを見つけては立ち止まって、その様々な表現を楽しんでいました。

わたしは先ほどから「訪れた」とか「足を進める」という表現をしていますが、本当に、オンラインであるということを忘れるくらい、VR作品はその場所に訪れたように感じます…。不思議です。

隠れている作品は、全部で26作品。
今回の作品は温泉地別府市にちなみ、「湯気」をモチーフとした作品となっているそうです。

クスッと笑える短篇映像や、優しいメロディーの音楽など、作品の雰囲気は様々…!
360度映像の作品もあり、臨場感たっぷりで楽しむことが出来ます。

ひろみや内に隠された作品のQRコード。

個人的に、特に観て頂きたいのは、プロパフォーマー木皮 成さんによるYUGEダンスです。
ひろみや内にはこのYUGEダンスが複数隠れているのですが、場所によってダンスの雰囲気が全く異なり、面白い!そして、かっこいい…!
躍動感のある情熱的なものや、しなやかで現代的なものまで、湯気というモチーフから広がるダンス表現の幅に、わたしはすっかり魅了されました。

全ての作品に一貫して感じたのが、「やさしい温もり」です。
ひろみやから感じる優しい生活の気配と、ひとつひとつの表現作品の確かな存在感が、全体の温もりやリアリティーを深めているように思います。
そして、時間をかけてVRの中の「ひろみや」を、奥の奥まで探検したことで、最後には、この場所や作品に対して、愛おしさでいっぱいになりました。
いつか、別府市に行って、ひろみやを訪れてみようと思います!

こちらの作品、おすすめです。


他では味わうことのできない、「 "探索型" VR演劇 」の世界を、ぜひ、体験してみてはいかがでしょうか^^

最後までお読みいただき、ありがとうございました。


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