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おちらしさんスタッフ、着物を買う。

こんにちは。おちらしさんスタッフのきしみです。
実はここ最近新しい趣味ができました。それは・・・"着物"です。

「いつかもっと大人になってから・・・」
「いつかもっとお金が貯まってから・・・」
と、なかなか手を出していなかった着物。

ですがコロナがやってきてここ3年、自分の意識がゆるやかに変化しました。なかなか収束の目途が立たないコロナの流行っぷりを見て、「いつか」から「」へと意識が向くようになったのです。
演劇は今その時しか観れないもの。それと同じように、服やおしゃれだって今しかできないものがあるのかもしれない。
いつかを待っていたらそれはもうずっと来ないかもしれないのでは・・・?

そこで「今しかない楽しみ方をしてみたい!」と思ったのが着物でした。
いつか着物を素敵に着こなせるおばあちゃんになるのも夢だけど、今は今で楽しんでみたいと。

そんな心の変化が私の指先を通販サイトの購入ボタンへと、とんと押してくれました。
着物が届くのは2ヵ月後。まるでチケットを買った直後、観劇の日が待ち遠しくなるような気持ちです。

あとは着物を待つだけ・・・というわけにはいきません。
帯、羽織、履物、帯を結ぶ紐、首元からちらりと見える襟などなど・・・揃えるべきものが沢山あります。

さっそく着物の本を図書館で借りて読み漁ったり、お店や通販サイトで買うものを探しているのですが、トータルコーディネートの難しさを実感しました。
揃えるものの種類でさえ多いのに、その一つ一つに色、柄、素材、季節性など個性があり、あれとこれを組み合わせたらかっこよくなりそう、いやでもこっちもいいかも・・・と想像が膨らみ続けます。

それだけではありません。他の人はどう着こなしているんだろうとSNSで探していくなかで、「着物の魅せ方」が常に更新され続けていることがわかりました。

例えば着物に洋服をミックスさせる”和洋折衷コーデ"。既に広まりつつありますが、調べてみると本当に「なんでもあり」の世界です。
帯の代わりにコルセットを締めたり、中にパーカーを着たり、ロングスカートを上から履いてみたり。「こんな組み合わせもありなんだ・・・!」と調べれば調べるほど発見があります。

さらには「帯は結ぶもの」という概念を取っ払った"帯結ばない帯結び"という新しい着方も登場しています。

着物や浴衣を着る上で1番難しそうと思ってしまうのが帯。しかし、結ばずに端をぱたぱたと追ってベルトで絞めれば完成!という結び方(?)が生まれ、広まりつつあります。
折り方にもたくさんバリエーションがあり、こんな簡単にだれでもできるようになるなんて・・・とまさに目からうろこでした!

和洋折衷コーデを紹介する本や、帯結ばない帯結びの作り方ガイドも発行されています。

着物を買ったことをきっかけに、"着物"という存在は想像以上に奥深く、そして実は自由度が高いということを目の当たりにしました。
選択肢が多く、あれも気になる・これも面白そうと悩んでばかりで未だに何も手に入れていないのですが、とても楽しい悩み方だなと幸福感を噛み締めている今日この頃です。

そうやって着物を知っていくなかで、「着物と舞台づくりって実は似ているのでは・・・?」と思うようになりました。照明や音響、小道具などを選ぶように、着物を構成するパーツひとつひとつを吟味して組み合わせいく。時には演出や演技のように着物の着方、つまり見せ方を大胆に変えてみる。まるで自分自身が劇場のように思えてきます。着物、いやそもそもファッションとは自分自身を演出することなんだと着物を通して改めて実感しました。

着物が届くまであと2ヵ月。どんな素材を集めてみよう・どう見せようとあれこれ考え中ですが、お迎えしたら着物に身を包みながら劇場に行ったり美術館に行ったりとあちこちへお出かけして、「今」を楽しもうと思います。


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