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久々の観劇(ロロ いつ高シリーズ)

こんにちは、伊藤です。

ロロのいつ高シリーズファイナルvol.9『ほつれる水面で縫われたぐるみ』vol.10『とぶ』を先日観ました。社会の色々や、個人的な生活の変化もあっておおよそ1年半ぶりの観劇です。その時のことを書きます。

いつ高シリーズとは、「いつだって可笑しいほど誰もが誰か愛し愛されて第三高等学校」が舞台の連作群像劇で、高校演劇コンクールのルールにのっとり上演時間は60分、セッティングの時間は10分の中で上演されていたシリーズで、vol.1の初演は6年前に上演されました。6年かけての完結でした。

いつ高シリーズがついに完結と聞いて、これは観なければいけないという使命感が勝手に湧いて、チケットを取りました。終わってしまうのか、という寂しさとどう終わるのだろうという期待と久々の観劇だという気持ちがいろいろ混ざり、忘れないようにとチケットを冷蔵庫に貼って当日を待っていました。
もう初演を観た日から、6年も経ったのかと感慨深くなります。6年の間に2回引っ越し、家族が増え、僕の生活は色々変わりました。あっという間だった気がしますが、生活は大幅に変わりました。

久々の観劇ということで、ほんの少し緊張感を保ちながらついに当日。Twitterに書かれた感想のつぶやきを見ないように過ごしていた生活から、感想を共有できる生活になる日。小雨も気にせず会場まで向かいました。劇場に到着し、久しぶりだなあと学生時代の旧友に会った時と似たような気持ちになりつつ、看板に貼られたチラシをスマホで撮り、会場へ入ります。
チケットの半券は自分でもぎることで、昔とは違うのだと実感し、席の番号とチケットを凝視して自分の席を探します。
チラシ束が置かれた席に座り、チラシをぱらぱらと見ていくとタイトル、デザインに目が止まりじっとそのチラシを見ます。前はそこから次に観に行く公演をよく見つけていました。本屋で本を見つけるような、出会いの瞬間です。
チラシ束を見ていると、いつの間にか開演の時間になり照明がゆっくりと暗くなっていきます。
ロロのいつ高シリーズを僕は見続けていました。
横浜のSTスポットからアゴラ劇場やあらゆる劇場まで移動をし、帰り道には観終わった公演のことを考えつつ帰宅していた日々を思い出し、まるで自分の青春の終わりのような気持ちで観ていました。

目の前で起きていた青春はファンタジーのようで、自分が体験していないのに、目の前で起きている青春が昔に体験したことがあるような、もしくはその場に自分もいたような気持ちになって、演劇を観ることは体験することなのかもしれないなと、思いました。
前から思っていたことなのですが、改めて実感をしました。久々に、本当に久々に演劇を観たからだと思います。

観終わったあとは自然と拍手が止まりませんでした。こんな幸福で貴重な体験を今までの僕はしていたのか、と心の中にじんわりと素敵な気持ちが広がっていきました。
観劇後に少し吉祥寺の街を歩こうかと思ったのですが、真っ直ぐ家に帰りました。その間、Twitterで公演の感想を検索しながら、さっきまで目の前で起こっていたことを思い出していましていたので、帰り道まだ頭の中では上演中でした。

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