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小学校の先生になるまで。 日本横断①

初めての旅で、おじさんたちから学生のうちにやりたいことは全てやっておいた方がいいと助言をいただいたので、おじさんたちの過去の後悔に基づいたアドバイスに従うことにした。

以下、初めての旅について書いてあるので一読していただければ。

初めての旅でどこにでも行けると感じたので、漠然と沖縄に行こうと思った。大学3年生の夏休みを利用して沖縄までバイクで行くことにした。


日本横断の始まり

前回同様、ただ旅するだけでは物足りないので、旅の道中で出会う人に「あなたが考える良い教師とは、何ですか?」と質問していくことにした。人に会うことが目的なので、高速道路は使わずに全て下道を走ることにした。

国道1号、2号、3号を使えば、神奈川県から鹿児島県までいけることが分かったので安心した。当時はスマホがない時代なので携帯でネット検索やG地図機能も使えなかったので全国地図を一応持っていった。

道中、色々な出会いがあり、本当に人に助けられた旅であった。全ての行程の中で特に思い出深かったエピソードだけを紹介していく。

京都・鴨川で会った酔っ払いおじさん

京都に着いたのは、21時過ぎくらいだった。
繁華街近くにバイクを置き、道行く人に声をかけていった。

以前の旅で声をかける際は断られるのが大前提であることを学んだので、
無視されてももう傷つきはしなかった。何人かに書いてもらっていると少し離れたところから視線を感じた。

ベンチで飲んでいるおじさんがこちらを見ている。

絡まれそうだなと思いつつ、道いく人に声をかけていたがそろそろ寝床を探そうとバイクを動かそうとしたら、先程のおじさんが千鳥足で歩きながらこちらに向かってきて、何をしているのか尋ねられた。

旅の趣旨を話すと、「どこに泊まるの?」と聞いてきたので鴨川の近くで野宿すると言った。おじさんは、鴨川で野宿は危ないと思うから家に泊まりにくればと言った。

おじさんは酒のせいもあってか、ずっとニコニコしているので自分の頭の中でサイレンが鳴った。

「ヤバい、これは掘られるんじゃないか。」

必死に「大丈夫です、鴨川で野宿します。」と言っていると、
おじさんは、元々国家公務員で働いて、今は平安神宮で働いていると言いいながら財布を取り出し、名刺や免許書を見せてくれた。それでも、私は依然として疑心暗鬼ではあったが何事も経験だ。

掘られたら掘られたでいい経験だと、吹っ切っておじさんの家に行くことにした。おじさんはタクシーに乗り込んで、後をついてきてと言うのでついて行くことにした。

山道を走っていると、急にタクシーが停まった。

山中、知らない場所、知らないおじさん。またも脳内でサイレンがなっていた。「ヤバい、なぜ山中なの」そんな私の思いもつゆ知らず、おじさんが降りてきてこちらに向かってくる。

「ここからの景色がキレイだから見せたくて」と言って、
またタクシーに戻っていった。

おじさんの家に着き、中に入ると引っ越しの為か段ボールがたくさんあった。話を聞いてみると、来週の頭に引っ越す為の準備だそうだ。わざわざ段ボールからクリーニング済の袋に入っている布団を出して敷いてくれた。申し訳なかった。

その後、おじさんと少し話をした。どうして泊めてくれるのかと聞くと、国家公務員は転勤が多くて仲間がよく泊まりに来たりしていたから、人を泊めることには慣れているとのことだった。久しぶりに、もがきながら旅している人を見かけて声をかけたと言う。

布団を敷いてくれた和室で寝ようとしたけど、なかなか寝れずにトイレに行こうとしたらリビングのソファーでおじさんが寝ていた。なぜ初めての人にそこまでできるのだろうか。感慨深いものがあった。

翌朝、昨日結構おじさんは酔っ払っていたので覚えているかなと不安になったが、昨日とは別人のようにシャキンとしていて、家を出て分かりやすい道まで送ってくれた。

はじめの一歩

初めて道端で出会った知らない人の家に泊めてもらい、人の優しさに触れたことでその後の旅に勢いと飛び込む勇気が出た。

人の善意を逆手に取った事件や犯罪もあるから、声を大にしては言えないけど、飛び込んでいかないと分からないこともあるのも事実。でも飛び込むなら、細心の注意はしながらいくしかない。

おじさんが繋いでくれた行動を「pay it forwardの精神」で繋いで、先日私も道で会った見知らぬ外国人を家に招いた。そうやって、これからも次に繋げていきたい。

みんな自分で精一杯で忙しいから、自分からアクションを起こさないと何も生まれない。重たい腰を上げて、一つ動いてみるのも手ではないだろうか。

はじめの一歩を踏み出した後の、次の一歩は軽かった。

最初の旅に出るまでの一歩は重たかったのに、踏み出してみたらその反動ですぐにもう一歩が出てしまうので不思議だ。はじめの一歩は、地割れしている地面を飛び越えるような一歩に感じるかもしれないが、実際は自分が勝手に作り出している幻想でしかないことに気付く。

まずは、一歩踏み出してみよう。


写真で見る  「あなたが考える良い教師とは、何ですか?」

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