感想ちゃん

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最近の記事

パズルみたい

「前に付き合っていた人に、3000ピースのパズルを1から組み立ててプレゼントしたことがあるかな。」 彼はそう答えた。 サプライズって、したことあるの。 と、聞いた。 ホテルを予約して、部屋をさまざまな形のバルーン、カラス除けに使えそうなキラキラのテープ、高級ブランドのロゴが入ったたくさんの袋で飾り付けをする。 または、レストランを予約して豪華なコース料理、最後にはチョコレートで書かれた名前入りのパチパチケーキで締めを飾る。 キラキラ、パチパチ、光り輝く。人は夜景が好きな

    • 幸せな時でも失恋ソングを聴く

      幸せな時でも失恋ソングを聴く。 悲観的な気分になりたいとか、その人じゃ満たされていないから聴く。 とかではない。 本当に幸せな時に聴く。 例えば、大好きな彼氏の手で運転されている2人きりのドライブ中に聴くとか。 一緒にいて心が弾んでいて楽しい時に「この曲いいんだよ!」って彼氏に勧めるとか。 彼氏がポジティブな恋愛ソングを歌っているカラオケに行って失恋ソングばかりを歌うとか。 大好きでもう離れたくない今世も来世も一緒にいたい彼氏といても、失恋ソングを聴く。 そうだな、a

      • 何もない

        杪冬、地元。 溶けかけの雪、まだ咲かない桜の木、しがない暇つぶしの噂、潰れかけの居酒屋。 尽き果てたもの、または始まらないもの。 僕の求めているものはここにはない。 何もない。 上京、渋谷。 人で溢れかえるホーム、無駄に明るい電子掲示板、広告・宣伝、終わりの見えない工事、立ち尽くすドール。 尽き果てないもの、または終わりの見えないもの。 僕の求めているものはここにはない。 何もない。 ガラクタでは何も埋まらない、ガラクタは埋めるものであるから。 埋めて土を被せれば、何もな

        • 『100万回生きたねこ』と『100万分の1回のねこ』

          『100万回生きたねこ』 大抵の人が聞いたことがあるあの有名な絵本のタイトル。現代でも読み続けられるロングセラー作品。 『100万分の1回のねこ』 『100万回生きたねこ』の作者、佐野洋子への敬意を込めた、愛とを死をテーマにした著名な作家たちが書き上げた短編集。 実は『100万回生きたねこ』を読む前に『100万分の1回のねこ』を読んでしまったのだが、あの絵本の表紙に大きく描かれた太々しいったらありゃしないねこが何故か苦手で幼い頃読むことができなかった。 怖いわけではないの