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その発想はなかった…シン無声映画

受験生さんに現代文を教えていた時のこと。
メディア論を読み解く流れで映画の話になり、
「昔は無声映画というものがあったんだよ」と、私。
「むせい?」
「音がないの。当時はフィルムで撮影したんだけど、音を同時に録れなかったらしい。だから、動く絵だけが流れて、台詞やBGMはない」
「え~?」
この後、私は「そこで、弁士さんという人がストーリーの語りをしてくれたわけだ」と説明するつもりだったのですが、
「じゃあ、観客はみんな、その場面の会話や音楽を想像しながら観たんですか?」
若い人にそう言われ、思わず笑ってしまいました。

満員の映画館。
コミカルなシーンが映っているのに、館内はシーンと静まり返っている。
観客めいめいが想像をたくましくして、脳内で台詞をつけていく。
時々、ククッ、プフッ、ギャハハと、笑いがもれてくる。
そんなシュールな光景が浮かんできたのでした。

シン無声映画……ちょっと観てみたいかも。

(その後、ちゃんと弁士の説明をしました)

明鏡国語辞典 第三版
三省堂国語辞典 第八版

三国さんこくの、娘に対するこだわりの強さが、何気に謎。

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