日本人アメリカ神経内科医

日本で初期研修、後期研修を少し行ったあとに、アメリカ神経内科レジデンシーに入り、現在は…

日本人アメリカ神経内科医

日本で初期研修、後期研修を少し行ったあとに、アメリカ神経内科レジデンシーに入り、現在はそのままフェローシップを経てアテンディング(指導医)として大学病院で働いています。時間を見つけて自分の経験や、こちらの臨床や研究などの状況を少しずつ投稿していきたいと思います。

最近の記事

レジデンシーやフェローシップの後のキャリアパスについて

レジデンシーやフェローシップの後のキャリアパスはどうなっているのかという質問を頂くことが増えてきた気がする。また、それに関連した講演会に呼んでもらう機会も最近多い気がする。このNoteの中で触れたこともあるのかもしれないが、簡単にまとめようと思う。ただし、神経内科のことしか分からない。 基本的には3つのパターンと考えることが多いかと。 1)アカデミア 2)プライベート 3)インダストリー 1)アカデミア アカデミアとは具体的に言えば、大学病院などのことで、診療、研

    • 初期研修を始めたばかりのあなたへ

      今でも自分が初期研修を始めたばかりの時のことははっきりと覚えているし、初期研修を始めたばかりの若手の先生たちとも話す機会も時々あって、この時期特有の焦りや辛さを思い返すことは度々ある。 これは、日本の研修医でもアメリカの研修医でも誰でも最初は経験するものだと思う(経験していなかったら、逆に心配)。 だから、チーフレジデントだったりした時に研修のオリエンテーションでよくしゃべっていたことを少し。 1)苦しいのはあなたの知識がないことよりも、システムへの慣れの問題であること

      • もし2021年に、僕が学生で臨床留学を考え始めたらどうするかの話

        もし、先生が留学していなかったら今頃どうしていると思いますか?と、とある学生さんから聞かれた。自分語りだけど、僕は結構こうすると決めたらやり切りたくなるタイプなので意地でも留学していたと思う。もちろん、物理的や社会的な理由で難しい時はあきらめも肝心だけど。 その後から、ふと今自分が医学生で、コロナ禍だけどもう一度留学に向けて対策を取ることができるならどうするかを考え始めた。“ぼくのかんがえたさいきょうの~”をまとめてみようと思う。 まずは具体的なプランを考える前に、以下の

        • 日本と米国の神経内科研修の違いについて

          日本と米国でのトレーニングがどう違うかは時折聞かれることがある。まあ、一般の方には正直興味のない話だろうけど、医療関係者、特に結構ベテランの先生方から聞かれることがある。特に今は新専門医制度などで色々あるし、米国がどうやっているのかを知っておきたいという部分もあるのかも。 まあ違いはいくつかあるけど、ぱっと浮かぶものと言えばー 1)ローテーション制になっている 2)毎日の講義がある 3)チームでの病棟回診が教育の場 4)フェローシップがある あたりかなあと。 1)ローテーシ

        レジデンシーやフェローシップの後のキャリアパスについて

          僕が研修医中にアメリカにリサーチで留学した時の話

          僕は初期研修中に1年間、アメリカの病院に臨床研究のトレーニングに行く機会がありました。その時の話を少し。。 このトレーニングのために日本での初期研修を1年中断しないといけなかったのですが、それ以上に実りのある経験でした。勉強になったり、キャリアを考えるきっかけになっただけでなく、その後に、臨床フェローとして早い段階で米国で働くことができたのは、この経験があったおかげでした。(少し複雑な話ですがState licenseの関係上でも) 1.どうしていくことになったか 行くこ

          僕が研修医中にアメリカにリサーチで留学した時の話

          日本での初期研修、どこでするのがいいのか

          時々臨床留学を考えている学生の方から相談を頂くことがあるのだけど、日本での研修はどういったところがよいのかということ。海軍病院だと正式な日本の初期研修にはならないので、保険医の資格が取れないという点はもちろん皆さん知っていて、最初のスタートをどこにするかを悩んでいるのだと思う。 研修先によって、研修内容だけではなくて、どこに住むかが変わるわけだから家族や友人や、あるいは給与のことなども検討に入れるべきだと思う。まあ、あまり拘らない人も結構いるけど。 僕は地元の出身大学県内

          日本での初期研修、どこでするのがいいのか

          レジデンシーインタビューについてよく相談してもらう内容

          少し前の話になってしまうけど、神経内科レジデンシーインタビューを受けた時のことは割と覚えている。またどこかで書きたいけど、色々あった。 その時の経験と面接官をした時の経験をもとに、今回はインタビューについて、よく相談してもらう内容をまとめておこうと思う。 ①どんな質問が多いか 質問は基本的には定型のパターンに則っていて、例えばなぜ神経内科を選んだのかは必ず聞かれる。面接官をやって驚いたのは、これにうまく答えられない人が時折いたこと。緊張のせいもあると思うんだけど、とにか

          レジデンシーインタビューについてよく相談してもらう内容

          僕がクリニカルフェローになったときの話

          アメリカで臨床をしようと思う理由は様々あると思うのだけど、もしレジデンシーを行いたいと思っているとしたら、僕のようにまずクリニカルフェローを行ってから入るというパターンを時々見ます。 せっかくなので、どのような形で僕が日本にいた時にクリニカルフェローになったかを参考までに記載したいと思います。 僕の場合は、USMLEを初期研修中に全部取ったので後期研修が始まったときにはECFMGのCertificationは持っいて、そのころから、どうやってアメリカに渡るかを色々と考えて

          僕がクリニカルフェローになったときの話

          アメリカ臨床留学についてーマッチングの話

          日本からのアメリカ臨床留学というのは、これまでも何人もの先人たちがいて、そういうたぐいの情報はネットや本に溢れている。どうしたら行けますかって、時々相談を受けるのだけど、結局その先人たちが言うのと同じで、王道はUSMLEという試験をとにかく高得点で通過すること。それに尽きる。 1)USMLEについて 絶対にしてはいけないのは、努力を続けるのがしんどくなったからと言って、中途半端な準備段階で試験を受けてしまうこと。僕自身、日本の初期研修中に受けてしんどかったから、辛くなってく

          アメリカ臨床留学についてーマッチングの話

          はじめに

          “男もすなる…”じゃないけど、少しずつこういう形で自分の考えを外に向けてまとめることで頭の中を整理しやすくなるような気がしてきた。医師10年目になるけど、日本やアメリカの両方で働いてきて、色々な人に会ったり、経験をしてきたことを振り返るのは大切だと思うし。 こういう媒体を見るのがどういった層になるかわからないけど、日本に残っていればきっと出会っていたであろう、学生さんや研修医、若手の医師に向けてのメッセージというつもりでも書いてみようと思う。