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BBTクローン再生計画(19)昭和期から「古」と「本」の二文字に弱いんです

「古書店」つまり「古本屋」に初めて足を踏み入れたのがいつだったか、自分でも憶えていません。
気が付いたらそういう場所へ足しげく通うようになっていて、気が付いたら「古書/古本」の二文字を四六時中探している自分がいたのです。
以前、夕方のニュースで事故報道を見ていたら、背後に一瞬だけ「古書」の二文字が映ったことがあったんですが、翌日にはもうその現場に出かけてましたね。
いつの間にか私は、そういう体になってしまっていたんです。

東京を出て静岡東部へ移住してからもその「病」は治らず、常に目の端で「古本」という字を追い続けています。
ところが一か所、非常に困るポイントがあるんです。
東海道の宿場町だった「三島」の、江戸時代の本陣(参勤交代の大名や公家、幕府の役人など身分の高い者が泊まる宿)だった場所に記念碑が建っているんですが、それに掘られている文字が「世古本陣跡(せこ・ほんじん・あと)」
そう、「古」「本」とが続いてるもんだから、その前を通るたびに私の脳内センサーがビビッと反応しちゃうんですよ。

いや、私だってバカじゃないから、それが古書店の看板でないことぐらい分かりますよ。
ていうかもう何十回も前を通ってるわけなんですからね。
けれども「分かっていても心がときめいてしまう」んです。
多分これからも石碑の前を通るたびに「ドキッ」としてしまうことでしょうね。
もーいや、こんな因果な体質!

それにしてもBBTには素敵な古書店がアチコチにあったよなぁ。
自宅アパートの東西南北どちらに進んでも行きつけ店が必ずあって、楽しいひとときを過ごすことができたんです。
あの頃の東京みたいな環境を全国各地に再現できたら、日本は今よりもっと素敵な国になる・・・はず。
見間違いではない正真正銘の「古本」看板が増えてくれることを、私は祈ってやみません。

画題「この二文字に反応しちゃうんだよなぁ~」

古本


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