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#127 脳梗塞と早稲田「夏目坂」

3年前の2月、私は脳梗塞を発症して新宿区早稲田近くの巨大病院(土地勘のある方ならどこだかすぐ分かると思います)に救急搬送されました。
早稲田には「夏目坂」という、夏目漱石由来の坂道があって、近場に住んでいた私はしょっちゅうそこを通っていました。
私の入院した病院のリハビリ室のバルコニーからは、ちょうど夏目坂が見下ろせるんですが、歩行訓練の休憩中に下を見ながら「再びあそこをスタスタ上り下りできる日は来るんだろうか・・・」と不安な思いにかられてましたね。
いや、「初めて体験する大病」というのは人の心を不安にするものなんですよ。

結果から言いますと、1ヶ月間の治療と2カ月間のリハビリを終えた私は、5月中旬にはもう夏目坂を歩いてたのでした。
脳梗塞って発症部位によって症状や後遺症にかなりの差があるものなんですけど、私の場合は「脚力」には全く影響がなかったんですよ(あと、創作活動の妨げになるような障害もナシ)。
3カ月の入院中には様々な症状の人を大勢まのあたりにしてきたので、自分は本当に幸運だたっと思いますね。

かつての私と同様、「初めて体験する大病」に戸惑っている人もたくさんいると思いますが、どんな場合でも希望は捨てないでいてください。
「精神の力」は「肉体の力」と直結してますので、希望を持っていれば必ず好結果につながるはずです。

コロナ禍が一段落ついたらまた久々に夏目坂を歩いて、今度は逆に病院を見上げてみたいと思っています。

夏目坂


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