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【怠けるための努力】「野菜ハイ」にならない

東京都心総じて物価が高額設定ですが、とりわけ「野菜」が高いです。
それでも前に住んでいた新宿の家(JR総武線大久保駅前)のエリアは、付近に「淀橋市場」という青果市場があるおかげか「かなり頑張ってる個人八百屋」がポツポツあって、都心の割にはまぁまぁマシなエリアでした。
特に有名なのがテレビにも頻繁に登場する、JR山手線新大久保駅近くの「新宿八百屋」というお店。
全国的に知られた多国籍エリアたる大久保界隈で繁盛してるのは「世界各国の地元野菜がフツーに扱われているから」で、一般の店では見かけない品が色々とありました。
店頭にドリアン当たり前の顔で並んでいるような八百屋は、たぶん東京といえども少ないでしょうね。

ちなみに新宿八百屋の店舗は元は書店でした。
知らないで本を買いに行ったら青果店に変わってて、あの時はホントにビックリしましたよ。
せっかく来たんだからと、大根とか買って帰りましたけど。
これ以外で「お目当ての店に行って驚かされた体験」というのは、友達との待ち合わせ場所だったタバコ屋に着いたら火事になってた時ぐらいですよ。
あ、もうひとつあった。
渋谷の東急文化会館前で落ち合う約束して出かけたらもう取り壊されてて無くなってた時にもたまげましたね。
そこには現在は「渋谷ヒカリエ」が建ってますよ。

私が驚いた話はいいとして、野菜価格の話です。
個人八百屋は「野菜だけ買いたい」時にはいいんですが、色んなものをまとめて買いたい場合はチト不便。
というわけで私はもっぱら「野菜も安いスーパー」を使ってました。
家の近所にはそれがなかったので、行きつけにしてたのは仕事場として借りてた中野区東中野(大久保の隣駅)のアパート(自宅から徒歩30分)の近くにあった「ミラベル」という格安スーパー
ミラベルは日大芸術学部などが置かれた学生タウン・練馬区江古田にもチェーン店がありましたが、ここはとにかくビンボー人に優しいお店なんです。
格安野菜だけでなく「ワケあり捨て値商品」も店頭に日替わりで並んでいて、私はテーマパーク感覚でワクワクしながら通ってましたね。

それよりもずっと前、まだ自転車を使ってた時代には、マンガの聖地「トキワ荘」のかつてあった「豊島区椎名町/南長崎エリア」まで毎週通っていて、前カゴ・荷台・リュック野菜や果物でパンパンにしながら運んでました。
スイカ1個をまるまるリュックで背負いながら、自宅まで40分以上もペダルをこいだ時には、さすがにフラフラで死にそうになりました
土地勘のない方だとあまりピンと来ないかもしれませんが、豊島・中野・新宿区というのは至る所に坂道がある「自転車難コース」なんですよ。
終戦直後の買い出し時代以降でそんな苦労をしながら山のような食糧を仕込んでる奴なんか、たぶん私だけだと思いますね。

現在の移住地(静岡県沼津市)には野菜を安く買えるスポットが各所にあるので、当初は自転車買い出し時代のように嬉々として大量に買いまくってました。
テリトリー内にJAの産直市場が2つもありますし、ちょっと歩くと田園地域になってて、農家の方が朝採れ野菜を並べている販売所もあるんです。
ちなみにこれはJAで買った「B級見切り品」ナストマト(ひき肉と炒めて夏野菜ミートソースにしました)。

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下はかなり色々ありますが、これ全部で「税込み730円」でした。

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この大根ジャガイモ農家の販売所で買ったもので、併せて「税込み200円」です。

農家

こちらのプチトマト近所の八百屋で買ったものですが、なんと2袋で「税込み200円」!!!!

トマト

本来は「1袋200円」で、それでも十分安いんですけど、店のおじさんが「ちょっと圧されて割れてるのがあるから、2袋200円でいいよ」オマケ(の域をはるかに超えてますが)してくれました。
沼津市の個人八百屋は、令和になった今でも昭和チック「端数をオマケしてくれる店」なんかが結構あったりして、それが楽しくてついつい買っちゃうんですよね~。

そして、こちらは無人販売所。

無人販売

無人販売所といえば、ターミナル駅(沼津駅)前の繁華街の歩道でこんなふうに野菜が売られてるんですよ。

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新宿でたとえれば「小田急ハルク前に野菜が並んでる」みたいな感じですが、どれもひとつ(ひと袋)税込み100円で、しばらく見てたら買ってる人が結構いましたね。
添えられてる説明書きを読んでみると、お隣の三島市の地場ブランド野菜を並べてるんだとか。
要は「無人のアンテナショップ」みたいな感じなのかしらん?
こういうの、なかなか斬新で面白い試みだと思います。

このようにいたるところで野菜が安いせいで移住当初の私は「野菜ハイ」とでも呼ぶべきナチュラルハイ状態になってしまい「あれもお得、これもお得、み~んな買わなきゃ損だ!」とばかりに買い込みまくっていました。
しかしあるとき、重要な事に気づいてしまったんです。

「……あ、俺、そんなに野菜好きじゃなかったワ」

そうなんです。
元が「高度成長期の偏食っ子」なんで、ハンバーグとカレーとスパゲッティだけでも十分生きていける食感覚なんです。
現在は病気の再発を防ぐために意識して野菜を取るようにしてますが、だからといって「野菜が好きになった」わけじゃ全然ない。
ぶっちゃけ「薬だと思ってしぶしぶ食ってる」感じなんです。
今でこそ「ブロッコリー」という奴を自宅でも調理してますが、じつは生まれて55年間、この野菜を購入したことはついぞありませんでした。
入院中の、まだ嚥下障害の疑いが晴れなかった時期に「ブロッコリーのピューレ」なるものを病院食で出されたんですが、食べた後ずーーーーーっと気持ち悪さで胃がムカムカしてて、ついに夜中に全部吐いてしまいましたね。

そんな人間が大量の野菜を買い込んだらどうなるか分かりますか?
「持て余す」んです。
「あの野菜は日もちしないから、明後日までには食べきらないとマズいな」的なプレッシャーに常にさいなまれてる感じで、落ち着かないったらありゃしない。
「高い生活コストに追いかけれる生活」「高いコストをまかなうための多忙な日々」から解放されるために東京を出たっていうのに、移住先で「野菜の消費期限に日々追われる」なんて本末転倒もいいトコです。

我に返った私は、まず「野菜ハイ」の状態からの脱却を図りました。
「いくら安くても『食べる義務』にストレスやプレッシャーを感じるようだったら買わないこと!」
このような戒め自分に課したのです。
とはいえ健康維持のため、野菜は毎日一定量食べないといけない。
そこで考えた折衷案「冷凍野菜の活用」でした。

野菜摂取にてんで無頓着だった東京時代には見向きもしませんでしたが、じっくり見たら市場にはじつに多種多彩な冷凍野菜が並んでいるのでした。
「冷凍なので長期保存ができて消費期限に追われない」うえに「そのまま調理できる状態にカットされてて使いやすい」というのが冷凍野菜の二大メリットですが、それに加えて「価格がとても安い」のです。
これはもう使わない手はないでしょ!?

というわけで、たくさんあってもじき使いきれるような「好きな野菜」生の状態で買って、たくさんあったら持て余す(必要な時にちょっとだけあればいい)と分かっている「さほど好きではない野菜」冷凍モノにしておく、みたいな棲み分けができていきました。
「さほど好きではないけど、健康のために常備してる野菜」のラインナップはこんな感じ。
ブロッコリー178円、ホウレンソウ157円カボチャ175円(全て500g入りで本体価格)です。

ブロッコリー

ほうれん草

かぼちゃ

一袋500gのコーン(本体価格147円)は大好物なんで、東京時代から常備してました。

コーン

「そんなに量は要らない」けど「無くては困る」というきざみネギ(一袋150g入りで本体価格100円)は超オススメですよ。
納豆、冷ややっこ、味噌汁、そば・うどん等々に使える万能薬味「欲しい時にちょっとだけ使える」のはもう最高!

ねぎ

野菜じゃないけど冷凍ミートボール(一袋500g入りで本体価格167円)も「あったらとても助かる冷凍食品」
「動物性たんぱくが欲しいんだけど、わざわざ肉を買ってくるまでもない」ような場合にすごく便利です。

肉団子

昨日、こんなおいしそうなニンジンJAで買ったので(税込み140円)、今朝はクリームシチューを作ってみました。

人参

ニンジンは通常なら皮を剥いて使うんですが、これは外側もキレイで柔らかそうなんで、生まれて初めてそのまんま使いました。

で、完成したのがこちら。

シチュー

ニンジンだけをじっくり煮込んで、最後にブロッコリー、コーン、ホウレンソウ、ミートボールを加えてひと煮立ちさせただけ。
仕上げにスライスチーズを一枚煮溶かしました。
作業らしい作業は「ニンジンを刻む」のみで、冷凍野菜は適当な量をむんずと掴んでぶち込んだのみ。
これだったら料理が苦手な人でも簡単にできますよ。

冷凍野菜に出会えたことで「賞味期限に追われることなく毎日色んな野菜を摂れる」という夢のような日々を手に入れられた私。
農業エリアに近いローカルに移り住んだら、多分かなりの方がかつての私のような「野菜ハイ状態」になるかと思いますが、どうか平常心を失わないでくださいまし。
あなたがもしも「山のような野菜をワシワシかじれるベジタブルエリート」だったらいいんですけど、そうでなかったら間違いなく持て余しますから。
生野菜というのはかなりの早さで「腐りだす」ものですし、持て余したせいで野菜食「フードロス対策のための処理作業」みたいな感じになっちゃったらいいトコなしです。
そのせいで野菜嫌いとかになってしまったら元も子もありませんよ!?

だからこそ私は、自分が到達した「生野菜と冷凍野菜のハイブリッド食生活」をオススメしたいんです。
冷凍野菜によって皆さんの人生がよりハッピーなものになることを、私は心より祈ります!

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