あの名女優から!? #ヘップサンダル の意外な由来
HEPを手掛けていているサンダルの人、むねです。
今回はHEPの名前の由来についてお話します。
ヘップサンダルと呼ばれた履物を、現代にアップデートしました。
その昔。
東京オリンピック前回大会(1964年)くらいの時代でしょうか。
ヘップサンダルは日本家庭の生活道具として広く親しまれていました。
いわゆる”つっかけ履き”と呼ばれたあれですね。
もしかすると、あなたも見たことがあるかもしれません。
ころんとしたフォルム。
特徴的な素材が醸し出す艶感。
創意工夫が成された独特の装飾使い。
おじいちゃん・おばあちゃんちの玄関で、見たことはないでしょうか?
そう、それは紛れもないヘップサンダルです。
■ヘップの由来
このヘップサンダルの”ヘップ”。
気になりますよね。
(”ヘップ”って発音とかも気になります)
これ実は、女優オードリー・ヘップバーンさんが語源なんです!
1950年代に日本で上映され、今もなお絶大な人気を誇る作品。
「ローマの休日」
この作品で、彼女がある履物を着用するシーンがあります。
フロント部分が空いていて、バックレス(踵がない)履物。
いわゆるミュールのような。。
その履物を見た日本の人が、彼女に親しみを込めてこのように呼びました。
”ヘップバーンサンダル”
...
”ヘップサンダル”!
■ファッションの源流は映画だった
はるか昔、インターネットがまだ存在しなかったころ。
情報速度が、現代とはまるで違います。
当時は海外の流行・ファッションを取り入れる術が、今よりもきっと限定されていたはずです。
インターネットが無かった時代は、多くの欧米ファッションを、音楽や映画から取り入れていたことでしょう。
それも多くの日本人が同じタイミングで。
それはたとえば「さらば青春の光」を観て、多くの男子がモッズコートを着たように。
イギリスのロックバンドを愛する人たちの殆どが、ドクターマーチンのブーツを履いたように。
■みんな知ってる?いや、知らない。
ヘップサンダルの”ヘップ”は女優、オードリー・ヘップバーンが語源なんだよ〜。
と、実はここまでは履物業界の殆どの人が知る、あまりにも有名なうんちくなのです。
けれども一般のお客さんは知らないはずなので、ぼくは何千、何万回とこのことをお伝えしています。
この語源は、とっても素敵なストーリーだと思っていて。
というのも「ローマの休日」をご覧になったことはあるでしょうか?
ざっと物語をご説明します。
主人公である某国の王女アン(オードリー・ヘップバーン)は、イタリア・ローマを訪れます。そこで、王宮での窮屈な生活から開放されるため、彼女はひとり城を飛び出します。
束の間のローマの地で、ごく普通の女の子のように好きな洋服で着飾り、長かった髪を切り、自由を手に入れていき恋をする。
ローマを舞台にしがらみの多い王女から、自由で普通の女の子へ変わっていき、そして恋をする。
そんな物語です。
彼女は城を飛び出した翌日、ローマの市場へ出かけてショッピングを楽しみます。
その市場で最初に買ったものが、のちに日本で”ヘップ”と呼ばれることとなる履物だったのです。
自由へ解き放たれていくことがわかる、最初の印象的なシーン。
ちょっと素敵なストーリーだと思いませんか?
■この由来が素敵であるポイント
私の周りにいる履物業界の方はみんなこのうんちくを知っています。
けれども、深いところまで知っている人は少ない。
この名前の由来を知ってから映画を観て、サンダルを着用するシーンをこの目で確かめました。
だからこそ、この名前の由来の深いところを気づきました
(自分の解釈ですが)。
そして窮屈な生活から自由を手に入れていく過程に、自分が目指すHEPブランドのコンセプトを照らし合わせました。
誰もがより、気楽なときを過ごせるような履物を目指します。
発売(2020年5月)までもう少し、どうぞよろしくお願いします。
■HEPのロゴの書体
最後まで読んでいただきありがとうございます。
末尾に、弊ブランドロゴのうんちくです。
こちらのロゴデザイン。
ロゴを手掛けたSUNA 長砂さんには前途の語源のお話を、ブランド立ち上げ前から共有させて頂きました。
彼女曰く、このロゴは「劇中に流れる印象的なタイトル書体をイメージし、当時を彷彿とさせるクラッシックな書体を採用しています。」とのこと。
HEPのパッケージやロゴを見かけたら、このうんちくを思い出してみてください。
それではまた!
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