「来たるべき時が来た」ブランドスタートを切った2年目の人のあれこれ。 #ヘップサンダル
一度も自称したことのない”#サンダル王子”が、ひとり歩きしていることを世界で唯一危惧しているむねサンダルです。
ブランド立上げから2年目に入って、「あの時想像しまくってた来るべき時がやってきたかもな、、」というお話をしたいと思います。
■迎えた2度目の夏
ブランドを設立して2度目の夏です。
暑中御見舞い申し上げます。
今日も本当に多くの方にHEPというブランドを応援いただいてます。
この1年で自分の手の届く範囲に、めいいっぱい想いを伝えたのですが。。。
どうやらそれを受け取った方たちが、そのまたお友だちやご家族に伝えていただき、HEPはぼくが自分の手で届けられる範疇を超えてきました。
嬉しい悲鳴とはこのこと。
こないだは、新聞に事業の取り組みを掲載いただきました。
新聞掲載は想像以上に反響があって、毎朝徒歩2分の通勤時間で「おはよーございますー」と挨拶するおばあちゃんと、初めてまともに立ち話。
「お兄ちゃん、新聞見たよ。こんなことしてたんか。がんばりや!」と激励され、泣きそうになりました。
■いいの!?知らないところでHEPが使われ始める
こちらは「靴下屋」さんのビジュアルカット。
2021年夏のキービジュアルの1つとして採用されたものだそう。
お気付きの通り、なんとこちらにHEPのサンダルが。
写真を手掛けたのは濱田英明さん、モデルは堀田真由さんでした。
そして先月は、ファッション誌でお馴染みのFUDGEさんのスナップアカウントに登場していました。
(着用者の@pikake07 さん、御愛用ありがとうございます!)
こちらでは、ELLE Japan 副編集長さんにアイテム紹介を行って頂いてます。
で。
これらの露出。
すべて、こちらが広告費を出したわけではないんです。
知人が知らせてくれたり、メンションが突然飛んできたり。
気づいたらタイムラインに流れてきた。
つまり全部、あとから知ったんですね。
いやはや、ありがたい限りです。
そして全然OKです。
なぜなのか?
■コントロールできないところへ(けど無問題)
ブランド立ち上げ直前なんかは本当にタイトで、実は卸売メインか直接販売に軸足を置いたブランドにすべきか、舵切りの意思決定ができずに世の中へブランドを発表しました。
一方、世間ではそのとき、コロナウイルス感染者を乗せたダイアモンド・プリンセス号が横浜港に停泊していたんですね。
(2020年2月)
そんな中、デザイナーのSUNA 長砂さんとは議論に議論を重ねて、お客さんからどんな風に見られる履物及びブランドであるべきかを、当時出せる最適な解を探り続けていました。
(まだお披露目してなかった為、まじで永遠に…)
結局、明確に言語化しきれなかった(※だけど頭の中にぼんやりとあった)「こんな風な人に履いてほしいよね!」という人たちや、良い意味での裏切りもありながら、アンコントローラブルなお客さんの足元へとHEPは届くことになったのでした。
修正主義という言葉もありますが、何事もチャレンジしてみないとわからない。
ただし。
そうです。
こうなった要因には、脳みそが溶けるほどの想像を掻き立てて、ブランドの建て付けを組み立ててはやり直し、先輩への壁打ちを繰り返しては凹み、また壊しては組み立て直しをやった結果の先にあったのかなと。
そうした深い思想みたいなものと下地の上で、HEPはぼくが簡単に手を伸ばしても届かなかった、知らない誰かの足元まで支えはじめているのです。
(知らんけど。)
■織り込み済みで迎えた未来
今日があるのはブランド初期から応援頂いているお客さんと、作り手の皆様のお陰に他ならないです。
HEPブランド設立のアナウンスを拡散していただいたこと。
オンラインショップを立ち上げて、早々に買って頂いたあなたのこと。
忘れないです。本当にありがとうございます。
そしてブランドが起動に乗ると、出てくる話がこちら。
よく似た商品たちですね。
ものづくり事業者さんあるあるだと思います。
考えものですよね。
競合にとって代わられるんじゃないかとか、、値段で下をくぐってきて喰われちゃうんじゃないかとか。。
いやちょっと待てよ。
何千回その歴史繰り返すんだよと。
競合に見つからないよう、次は真似されまいと新しい商品を作ったり、更に下をくぐった値段を出したり。。。
いやいやちょっと待てよ。
だから、何万回その歴史繰り返すんだよと。
HEPとしては、そんなもんは前前前世から織り込み済みの未来であり、追随が出てきたぼくとしてはニヤリ。
なぜなら、ブランドや商品単体でいくら近い世界観の商品が出てきても、根本的なブランドの建て付けや思想が異なるからです。
深さが全然違います。
(唐突にある日のメモを貼るやつ)
ブランド構想段階からこうなる未来予想図は完全に読めていて(というか先人たちが同じ地雷を幾度となく踏んでくれていて)、事前に対策さえしていればよく似た商品の台頭は脅威ではなく、むしろブランドにとってアドバンテージにすらなる訳です。
■(ハッシュタグ)#ヘップサンダルの変遷
ここで、ちょっとブレイク的にただただ画像を貼っておきます。
感じ方はそれぞれだと思うのですが、「ふーん、なるほどねー」とでも思いながら眺めてみて下さい。
Instagram上にて、1つのキーワードでタグ(#)検索した結果を、時系列別に抽出したスマホのスクショ画面です。
【前置き】
※Instagramの仕様上、「最新」から順番に並べても何かしらのアルゴリズムが働くみたいです。なので、ばっちり時系列じゃなくざっくりその辺っことでご容赦ください。
検索ワードはこちら。
#ヘップサンダル
先にことばの説明だけしておきます。
そもそも”ヘップサンダル”はサンダルの種類の1つです。
ビーチサンダル、シャワーサンダル、”ヘップサンダル”。。みたいな感じです。
ぼくは世界で一番 #ヘップサンダル に関して、昔からタグ検索している自負があるんですけど、タグ検索を過去からの変遷で見るとおもしろいです。
4つに分けて抽出しました。
1)最も古い #ヘップサンダル
2)HEPブランド初の展示会時期【2020年2月頃】
3)HEPブランド2回目の展示会時期【2021年6月頃】
4)最新の #ヘップサンダル【2021年8月】
1)最も古い #ヘップサンダル
↓
2)HEPブランド初めての展示会【2020年2月頃】
↓
3)HEPブランド2回目の展示会【2021年6月頃】
↓
4)最新の #ヘップサンダル【2021年8月】
↓
「#ヘップサンダル」に紐づく投稿に関して、HEPブランド立上げ当初【2020年2月頃】は、ぼくの投稿が全てハックしてました。
ですが今年です。
2021年6月から8月にかけては、その他のメーカーやブランドの投稿にも 「#ヘップサンダル」が用いられ始めました。
過去、2019年以前はインスタグラム上の「#ヘップサンダル」は雑然としていて、誰にも引っかかりの無かった言葉でした。
言い換えると死語だったと認識しています。
しかし今、「#ヘップサンダル」は新しいサンダル商品にも付いてきてることが散見されます。
これを踏まえて、再び「 #ヘップサンダル 」の変遷を御覧ください。
※わかり易いように属性別にマーカーしています。
2)HEPブランド初めての展示会【2020年2月頃】
POINT:全てぼくによる投稿。
★赤:HEPブランドアカウント
↓
3)HEPブランド2回目の展示会【2021年6月頃】
POINT:HEPブランド設立から1年が経ち、他社さんも使い始めた。
★赤:HEPブランド関連
★青:他社・他ブランド
↓
4)最新の #ヘップサンダル【2021年8月】
POINT:HEP設立から2度目の真夏。
他社の中には協力工場も加わり、バラエティに富んできた。
★赤:HEPブランド関連
★青:他社・他ブランド
★緑:協力工場のSNS
↓
■After「そうは問屋が許さない」時代
「問屋さんに元気がなくなってきてた」話は今に始まった事では無いし、多くのものづくり業界で語られていることは、ご存知のとおり。
流通が変化した今、問屋さんの必要性や存在意義が議論されています。
(知らんけど②)
そうした中、大手小売店各社の商品棚はPB(プライベートブランド)に取って代わられ、海外製品は人件費や原材料費の高騰が続いている。
何となく先送りになっていた問題を、コロナが時代を早めてやってきました。
長らくの恩義もあり、お付き合いのあった問屋さん。
ぼくたちは、彼らから発注を待ち続ける日々でした。
たくさん作り続けることで生きてきた工場やメーカーの間では、そんな問屋さんを介さずに直接販売するという行為は、業界内の風当たりを加味すると非常にリスクを伴うことであると、4年ほど実働していく中でわかりました。
それでも、、
彼らからの発注をFAXの前でずっと待っていたのです。
けど、待てど暮らせどお仕事が来ない。
だったら自分たちから作って届けたいと思うことは、紛れもない作り手さんたちの生存戦略です。
(*”ネットで売り出せば一発逆転できる”、、かも、、、という安易な発想ならばオワってますが。)
問屋さんも千差万別ですが、最近はそんなこと「やってくれるな」というような手厳しい意見や外圧を放ってくる人は減ってきたように感じられます。
With コロナ時代とはつまり、ニアリーイコールでAfter「そうは問屋が許さない」時代かなと。
もう皆、生きてくために必死ですよ。
※あと個人的には、インターネットに明るくない人たちが問屋さんである場合は、「ファクトリーブランド」や「D2C」などと、カナカナや英語を使えばバレなさそうだと思っています。
超絶個人の見解ですが。
■ブランド設立の波及効果は作り手さんへ
コロナを迎える以前から、協力工場としてお付き合いのある株式会社マルサンフットウエアーさんという会社が、奈良県御所市にあります。
ご本人もよくお話されていますが、元々は露出を拒むタイプであり、請負型のクラシックな工場さんでした。
しかし一念発起して、自社ブランドの商品開発や過去に手掛けていたご自身のヘップサンダルをオンラインショップを立ち上げて販売を開始。
各種SNSを駆使しながら、発信活動と直接販売を始められたのです。
これ、最高の流れだなと思いました。
そんな中、マルサンフットウエアーさん(以下、マルサン)がオンラインショップを立上げて約半年ほど経ち、つい先日起きたエピソードがおもしろいです。
かなり高齢の男性(以下、お爺ちゃん)からある日、電話で問い合わせがあったそうです。
お爺ちゃん「インターネットで見てるこのサンダルは買えますか?」
マルサン「はい、買えますよ。サイズが品切れになってる分ですよね。
時間いただきますがご準備しますね。」
お爺ちゃん「本当ですか!
これ、ずっと何年も履いてて、履き潰してしまってはまた同じものを買い足していたんです。
〇〇(ホームセンターの名前)でその都度買ってたんだけど、突然取り扱いが無くなっちゃって、ずっと何年も探してたんですよ!!」
今回売れたのは1足。
とてもすごいです。
きっとそのお爺ちゃんは足腰が元気な限り、ずっと愛用してくれるんだと思います。
近所の人にもこの出来事は話すんだとうなと思います。
■作り手さんも気楽な一歩を
あまり知られていないのですが、奈良県はサンダル作りが地場産業の1つとして数えられています。
小規模地場産業の現況
本県の小規模地場産業は、サンダル、軽装履及び紳士靴等の履物産業、野球用グローブ・ミット及びスキー靴等のスポーツ用品産業並びに毛皮革産業等、あわせて品目別に11業種ある。
引用元:奈良県の地場産業について
「安く大量に作る」ことが正解だった時代から、どうやら別の問いを持つことが必要になった今、ヘップサンダルを生業にしている人たちは時代に取り残されそうです。
現に、奈良の業界内で自分よりも若手に会ったことがない。
先ほどのマルサンさんの様な動きが工場起点で生まれたことは、とても価値あることだと感じています。
ヘップサンダルの構造やデザインは、よく見ると様々な創意工夫がなされています。
1950年代前半、映画館でローマの休日を観た誰かが「ヘップサンダル!」と呼んだその時から親しまれたサンダルは、一度は間違いなく死語となりました。
それを一旦受け入れてでも、ぼくが作りたかった新ブランドが「HEP」なんです。
現在、数多あるサンダルの中の1つの選択肢として、今のライフスタイルを送る人たちに”気楽なサンダル”としてゆるく示していきたいと思います。
【2021年8月】開催の催し
■HEP 奈良のヘップサンダル展
会期:2021年8月4日(水)~8月31日(火)
場所:日本市 奈良三条店
■Neustadt brüder グランスタ東京
会期:2021年8月5日(木)~8月29日(日)
場所:グランスタ東京(東京駅・丸の内地下南口改札)
■東急ハンズ名古屋「男の書斎」
会期:2021年8月6日(金)~8月22日(日)
場所:東急ハンズ名古屋店10階 男の書斎
■フェア「軽やかに、かっこよく」
会期:2021年7月1日(木)〜9月5日(日)
場所:京都岡崎 蔦屋書店
■NEW LIFE MARKET presented by IF8
会期:2021年8月13日(金)〜8月22日(日)
場所:石川県 金沢百番街 Rinto広場(カルディ前)
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