『劇場版モノノ怪 唐傘』感想
劇場版モノノ怪 唐傘 を観た。
元々アニメ版 モノノ怪 の世界観やアートがすごく好きで、dアニで何度も見返すくらいにはファン。
声優交代や16年振りということで正直すごく怖かったのだけど、
その不安は開始数分ですっかり払拭された。
例えるなら『海鮮丼』
華やかで贅沢、
質も良くて量もケチってない。
あまり出会えないけど出されたらめちゃくちゃ嬉しくなる、そんな作品。
(↓ネタバレは気をつけたけど 一応注意↓)
××××××××××
■まず映像が綺麗。
彩度高めな美麗アートが惜しみなく出てくる。それがブワーッと動き回るのでマァ圧倒されるし翻弄される。
アニメ版の感動再び……。
さらに映画向けに派手さマシマシ、動きマシマシでめちゃくちゃ華やかだ。
CG多用で視覚情報量増えるぶん、数回見ないと現状を把握しづらい場面というのは確かにあるのだけれど、それでも結構抑えてる方だと思う。
映像技術が進化した今だから出来る表現というのもあるだろう。
昔は見なかった表現も取り込みながら、しかし昔の良さもしっかり残してある。
あからさまなポリコレポイントみたいなのはあるが、よくよく考えても座敷童子の時からそういうのはいたのでマァよし。
■「何を棄てた?」
舞台は江戸時代の大奥。しかしかなり現代ナイズされている上に感覚でなんとなく分かるので歴史知識なくても全然大丈夫。
お世継ぎがどうとか一人の男に選ばれるか否かとかの男女の肉欲的な愛憎劇が来るのかと思ったがそうではなく、
もっと現代にもあるような、集団内での承認欲求、嫉妬、同調圧力、無力感、虚無……。
性的なシーンはあることはあるけど直接的な絡みはない。
■前作ファンにも安心
"お色直し"した薬売り(別人)や、
新たに明かされた設定、
良くも悪くも”現代的に”変わってしまった部分はあるけれど、
それでもシーンチェンジの間の取り方は変わらないし、
隠喩の多用や考察ポイント、
アニメ版オマージュらしき図もいくつか見られたりと、
「本当にあのモノノ怪の新作観てるんだ」って安心できる感じがある。
過去作を大事に扱ってくれて感謝しかない。
逆に『真と理と形』の事とか
新規さんにはちょっと理解しづらそうかなと思った部分もあったのだけど、どうなんだろう?
■仮面ライダー2号こと『坤』の薬売りさん
新薬売りさんはなかなかアグレッシブ。
積極的にアクションするしまず表情が元気。よく動くしよく喋る。
『離』(アニメ)の方が陽の気寄りであのローテーションなので、神祇の反転だとすると全陰の『坤』がアレで一番陽キャかもしれんね。
あの足袋かっこいいからグッズ化希望。
怪異が成る前に気配を察知してるのはかなり優秀な方?
アニメはどちらかといえば事後処理なので、成る前に仕留めに行くのはちょっと新鮮ではある。
あの行李とか完全オートメーション化してたし。
とはいえ一度『現し世に成した』モノノ怪は対処し辛いらしいし、
『離』よりは札の結界が押し負けてるように見えるので、
防御値は『離』の方が高そう。
どっしりと構え攻撃を防ぐ櫻井薬売りさんと、
軽々動いて素早く仕留める神谷薬売りさん。二人が組んだら無敵そうだ。
神谷さんは観る前はずっと解釈違いではないかと思っていたのだけれど、全然心配なかった。
普段の声からも少し変えて、以前からの雰囲気をしっかり守ろうとする姿勢が感じられてすごく好印象。素晴らしい。
■極音上映、なかなかおすすめ。
迫力が違う。
水の音とかすごくリアルで、マジで背後で水流されてるみたいだった。
■クラファンがクレジットに流れるのは初めて見たかも。
クラファン、知った頃にはもう終わってたんだよね。
財布解き放った人には笑った。
ニコニコで見たやつ〜w
■その週の日曜に行って売り切れとは
公開から3日も経たず、パンフレットがもう売り切れていたのが喜ばしいけど残念。
後日別の映画館で入手しました。
■コラボワンピースが気に入ってる
『倭物やカヤ』さんのコラボワンピースを着て行ったのだが、とてもテンションが上がって良い。
アニメ版のデザインのものだが、
さり気ないくらいのコラボ感が良いんだ。
がっつりキャラ物は恥ずかしい方の人間だから。
劇場版デザインのコラボも発表されてすごく迷う。
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28日カナダのファンタジア国際映画祭にて
アニメーション最優秀長編作品賞を受賞されたそう。めでたやめでたや。
全三部作である事が確定したので、
まだまだこの作品に浸れることが嬉しい。
次は考察とか書く予定。
では。
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