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【第39回】藤岡陽子『きのうのオレンジ』集英社

NetGalleyラジオ番組「ネットギャリーで発売前の本を読む」
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【第39回】
放送日:2020年10月27日(火)7:20~
※藤岡陽子さんのコメントを収録!

★『きのうのオレンジ』藤岡陽子
集英社
刊行日 2020/10/26
NetGalley作品詳細ページはこちら
https://www.netgalley.jp/catalog/book/199193


《内容紹介》
「お父さんとお母さんは、ぼくの人生が短くてかわいそうですか? 」
三十三歳の笹本遼賀は、胃の調子が悪いため大学病院で胃カメラ検査を受けた。
 結果は悪性腫瘍。 告知を受けてから二週間後、検査入院した病棟には、高校の同級生で看護師の矢田泉が勤務していた。
 手術日も決まり、遼賀は荷物を取りにいったん自宅へ戻ることに。準備を終えた瞬間、遼賀は急に全身から力が抜けてその場にへたりこむ。どうして自分が癌に……涙がとめどなく溢れてきて、恐怖で震えが止まらなかった。病院に戻る気力もなくなっていた。
 その時、郷里の岡山にいる弟の恭平から荷物が届く。
 入っていたのは、十五歳の頃、恭平と山で遭難した時に履いていたオレンジ色の登山靴。
 それを見た遼賀は思い出す。 あの日のおれは、生きるために吹雪の中を進んでいったのだ。
 逃げ出したいなんて、一度たりとも思わなかった――。

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